東大生の幼少期の習い事、1位が水泳、3位が野球。では2位は…? 指先と学力の見逃せない関係
サッカー、ピアノ、テニス、英会話……たくさんある習い事の中でも、小さな子どもの能力を伸ばすためには何を選ぶのがベストでしょうか?
東大野球部出身で後に監督も務めた浜田 一志さんが、東大の運動部に所属している“文武両道”な学生たちに実施したアンケートをもとに「幼少期にオススメの習い事」を教えてくれました。
※本稿は、浜田一志著『東大野球部式 文と武を両立させる育て方』(かんき出版)から、一部抜粋・編集したものです。
浜田一志(はまだ・かずし/東大野球部前監督)
土佐高校で野球漬けの日々を過ごし、3年夏の大会引退後から一念発起して東京大学理科Ⅱ類に現役合格。東大野球部に入部し、4年次は主将として東京六大学野球リーグで活躍。卒業後は東京大学大学院工学系研究科に進学。その後新日鉄(現日本製鐵)に入社し、1994年「部活をやっている子専門の学習塾」としてAi西武学院を開業。2013年~2019年まで東京大学野球部監督。2023年4月からは母校土佐高校の校長に就任予定。
背骨と指先を発達させる幼少期の習い事
全国各地で「文武両道のススメ」の講演を行うと、「小さい頃にどんな習い事をさせるといいでしょうか?」という質問を、親御さんから度々、受けます。
そんなとき、「早期から野球を始めてください」とお伝えしたい気持ちは山々のところ、「水泳とそろばんは、どうでしょうか」とお答えしています。
水泳は背骨の発育にとても有効ですし、姿勢もしゃんとする効果があります。どんな分野であれ、一流の人は姿勢がいいものです。実際、東大生の姿勢は、とても美しい。姿勢はとても大切です。同じように体操やバレエもいいかもしれません。
もうひとつのそろばんは、指先からの脳への刺激や発達にとても効果があります。「いまどき、そろばん?」なんて、思われた方もいらっしゃるでしょう。しかし、じつはいまでも子どもの頃にそろばんを習ってきた現役東大生はたくさんいます。単に計算が早くなるというだけではない効果が隠されていたのです。
ちなみに、2017年に東大の運動部に所属している男女300名に「5~9歳の頃、どのような習い事をしていたか」をアンケートしたところ、次のような結果となりました。
水泳がダントツ。ピアノ、野球と続き、そろばんは10位に入っています。(『東大野球部式 文と武を両立させる育て方』P.90より)
水泳とそろばん、これはまさに文武両道の典型例とも言えます。とはいえ、もちろんこの2つがマストの習い事というわけではありません。子どもの発育にとって「背骨」と「指先」が重要であるということを知っていただきたいのです。
習い事ではないですが、男の子ならプラモデルづくりもいいですね。サッカーに比べると野球のほうが指先をつかう競技ですので、よりオススメとも添えておきましょう。