子どもの心を強くする言葉
【タイプ2】他人を受け入れられない
事例:”王子様”として育てられたトモくん
小学1年生のトモ君は、友だちと遊ぶ中でよくいじけてしまいます。トモ君は自分の勘違いや間違えを友だちに指摘されると、いじけて座り込んでしまい、次の授業にも差し支えるほどです。トモ君は両親と6歳違いの姉、父方の祖父母の6人家族です。
待望の男の子だったため、祖父は”眼に入れても痛くない”かわいがりようで、トモ君の要求にはほとんど言う通りに応えていたそうです。保育園の時には、昼食の時間に遊んでいて、先生から少し注意されただけで落ち込み、気持ちを切り替えるのに時間がかかったというのです。
全ての幼児は、”自分はなんでもできる”という「幼児万能感」をもっていますが、通常3歳前後までに崩れ、他人を受け入れるようになります。
しかし、”わが家の王子様”と自分の思い通りになってきたトモ君は「幼児万能感」を引きずり、周りの人からの注意やささいな指摘にたやすくキズつき、切り替えができません。この先、集団への適応が心配です。
【タイプ3】小さなことにビクビク怖がる
事例:親に叱られたことがないミキちゃん
ミキちゃんは小学3年生の活発な女の子です。でも、4歳で入った幼稚園の入園式のときは泣いてお母さんのそばから離れられず、クラスで元気な子たちが騒いでいるのを注意する先生の声に脅えて涙ぐむほどだったそうです。
ミキちゃんはひとりっ子で、お父さんもお母さんも穏やかで、声を荒げたり、ミキちゃんを怒ったりすることは全くありません。ミキちゃんがいけないことをした時も、お母さんは「あら、だめよ」と言うだけで、それ以上は言いません。幼稚園で似たような性格の仲よしの友だちができたため、登園を渋ることはなくなりましたが、相変わらず大きな声や、男の子の乱暴な物言いや行動には脅えます。
お母さんは担任の先生と相談して、いけないことをした時は、その理由をしっかり説明して叱るようにしました。また、各種の子どもの集まりに連れて行くようにしたのです。そこで、ミキちゃんはさまざまな子どもたちに出会い、もまれる中で、小学校入学の頃にはびくびくしない子になったと言います。