大人はあくまでサポート役に! 子どもの意志を尊重するモンテッソーリ教育で身につく力
・おしゃべりが苦手!
3~6歳の子どもは話したくてしかたがないものです。話さない、うまく言葉が発せないというときは、まず耳や口などの機能にトラブルが起きていないか、医師の診断を受けましょう。そうではない場合は、話したくても話せない理由があるのかもしれません。親がふだんから「うるさい」「子どもは黙ってなさい」などと言っていませんか? そうすると、子どもは「話しちゃいけないんだ」と思うようになります。
本当に「黙っていてほしい」と思う場合は、それが子どものためなのか親の都合なのかを考えて、後者だったら親がガマン。子どもの話に耳を傾けましょう。
・お絵描きなどに興味がない
お絵描きや砂場遊びなど、創造力を育む遊びに興味を示さないと心配ですね。でも今は、お絵描きや砂場遊びなどよりも好きなこと、興味をひかれることがあるのかもしれません。
モンテッソーリ教育では、「みんなと同じこと」よりも「違うことをやりたい」「自分はこれをしたい」という子どもの気持ちを大切にします。無理にお絵描きをさせなくても大丈夫。ある時期から急に「お絵描きしたい」と言い出す子もたくさんいます。子どもが他の何に興味があるのか、何をしたいのかを観察して、「今したいこと」をさせてあげましょう。
・稽古ごとなどが長続きしない
~6歳ぐらいになると、子どもは自分のしたいことを主張し始め、お稽古ごとをやりたいと言い出すようにもなるでしょう。でも、いざ始めてみると「もう行きたくない」。これはよくあることです。その場合、「どうして?」と聞いても、子どもはその理由をうまく説明できないかもしれません。ですから、子どもの様子をよく観察して理由を探ります。そして「次はお母さんも一緒にやってみようか」と誘ってみる。それでも行きたがらなければ、それは立派な意思表示。無理強いせず「また行きたい」と言い出すまで待ちましょう。
◆心が満たされると協調性や社会性が育まれる
モンテッソーリ教育では、子どもの「やりたい」「やりたくない」のどちらの意思も尊重します。自分の意見をもち、はっきりと主張できることをよしとするからです。
子どもの好きにさせる、無理をさせない、と言うと「わがままな子になってしまうのではないか」と心配になるかもしれませんが、結果は真逆です。
子どもは自分の好きなことを自ら選択し、それに集中するという育ち方をすると、心が満たされているので、他人と自分を比べて劣等感や優越感を抱くことがありません。こうして自分の「個」がしっかりできると、5〜6歳ぐらいから「みんなと力を合わせる」「困った子がいたら助ける」といった協調性や社会性がはぐくまれます。つまり、「わがまま」どころか、まわりとの人間関係を上手に築ける子どもになるのです。