「ピーマンみじん切り」では偏食は解決しない…食べる子に変わる5つのステップ
食べ物の好き嫌いがあるのは誰でも普通。でも、「パンしか食べられない」「肉も魚も野菜も食べられない」など、過度の偏食・小食の子どもがいます。偏食・小食を解決するために、あらゆる調理の工夫を凝らしても解決できず苦しんでいる保護者さんは少なくありません。
会食恐怖症を克服した経験を持つ食育カウンセラーの山口健太氏は「好き嫌いは子どもの『わがまま』ではない」と断言し、偏食・小食を解決するには適切なコミュニケーションが必要だと指摘します。
※本稿は、山口健太著『食べない子が変わる魔法の言葉』(辰巳出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
何でも好き嫌いなく食べられる子はめったにいない
私は、「食べない子」専門の食育カウンセラーとして、全国の保護者を中心に、これまで3000人以上の方に向けて「食べない子」の解決法をお伝えしてきました。
私のメソッドの一番の特徴は、調理の工夫の優先度を下げて、コミュニケーションの工夫で「食べない子」を「楽しく食べられる子」に変えるという点です。その手法は、保育園などを中心とした全国の教育現場でも少しずつ広がりを見せています。
「そのうち食べられるようになるから大丈夫だよ!」と言われて、途方に暮れてしまう親御さんは少なくありません。
たしかに、「何でも好き嫌いなく食べられる子」はめったにいません。だから、「食べられない」ことの深刻さは理解されづらいのです。さらに「子どもの頃に食べられなかったものが、大人になってから食べられるようになった」という経験を多くの方がしているので、「そのうち食べられるようになるから大丈夫だよ!」という返答になるのは無理もないと思います。
でも、そんなまやかしの言葉だけでは解決できない、「本当に食べられない子」がいるのも事実です。我が子の食に悩む親御さんたちは「私の育て方が悪いから食べないのでは……」と自分自身を責めてしまったり、「ちゃんと食べなさい!」と不本意に怒ってしまい、「あぁ、また怒ってしまった……」と罪悪感に駆られたりしてしまうのです。時には、「お母さんが悪いから、食べないんじゃないの?」と責められるケースさえ聞いたことがあります。
ですが、「保護者を責めることで解決に繋がった」ケースなど、1つもありません。
だから、自分を責める必要はないんです。普段、私のもとに相談に来る親御さんたちは、「我が子の食」に誰よりも真剣に向き合っていることを、私は知っています。
……でも、真剣になりすぎて、出口のない迷路に迷い込んでいませんか?
そうであれば、お子さんと楽しく食卓を囲める日が一日でも早く来るようにと思い、私がお伝えできる最大限の情報をまとめました。
親御さんが今抱えている心配を手放して、食卓に笑顔が増えれば、子どもは自然と自分から食べられるように、きっとなります。