エリートアカデミーで子どもに教える「チャンスで最高の結果を出す思考トレーニング」
いろいろなチャンスを生み出すためには…
このように、考えるという少し難しい作業も、日常に取り入れていくことで、嫌にならずに進めることができます。そして、考えることが当たり前になってくると、競技に対しても自然と考えることが身についてくるのです。
現在は、アカデミー生とは毎日顔を合わせるので、選手が自分でしっかり考えているかどうかは、見ているとわかります。
同じ場面で同じような失敗が続いたり、練習内容を変化させられなかったり。コーチからアドバイスを受けても言葉通りにしか動けず、それを自分に合わせて調整できなかったりするケースもあります。
考えている選手は、一度失敗しても次に失敗しないように考え、工夫して取り組みます。その発想の転換が速いほど、試合でもチャンスが生まれるのだと思います。
伊藤美誠選手の試合は、相手の選手を見ながら常に次の戦術を考えて繰り出してくるので、この後はどんなことをするんだろうと、見ているほうもだんだん引き込まれてワクワクします。
考える力を伸ばすことで、いろいろなチャンスが生みだせると思います。
水谷隼選手がオリンピックでメダルを取って、多くのメディアに出るなか、トークやコメントなどもどんどん上手になっていくのがわかります。
おそらく、いろいろな会話を重ねながら、どうすれば相手に伝わりやすいか、どのような言葉を選ぶと心に刺さりやすいかなど、毎日学んでいったのだと思います。金メダリストでも、その後常に前進するために考え、チャンスを広げているということです。
子どもが本番で最高の結果を出せるコンディションの整え方(日本能率協会マネジメントセンター)
日本卓球界の未来を支えるエリートアカデミーの責任者を務め、フル代表のアスレティックトレーナーとしても裏方で支える著者が教える、子どものコンディショニングの整え方&本番で力を発揮する方法。子どもが良いコンディションを保ち本番で結果を出す秘訣を学べます。