中学では親が学習予定を立てると逆効果? 小学生時代と変えるべき親子の関係

國立拓治

小学生のように手を出しすぎない

・フルサポートは中1の1学期まで!

中学生への学習サポートは本当に難しいものです。なぜなら、ちょうど子どもと大人の間の年齢なので、サポートの加減を徐々に減らす必要があるからです。

ここで、その加減について現場の私からアドバイスをしたいと思います。まずは、「小学生のときのように手を出しすぎない」という注意点から──。

小学生の頃は親子で協力して勉強をしてきた楽しい蜜月の時期もあったと思いますが、中学生になれば、その関係も終わりに近づきます。

中学を出る頃には、「自分で考えて取り組めるようになる」という着地点を想像しながら、かかわりを減らしていくようにしましょう。

具体的に保護者が手を出しすぎているパターンをお伝えしておきます。

「学習予定を立ててしまう」「日々の学習の指示をしてしまう」「『教科のまとめ』をつくってしまう」「確認テストをつくってしまう」「マルつけを代わりにやってしまう」……。

これらは、すべて保護者が手を出しすぎているパターンです。たとえば、中学に入学して最初の2回くらいのテストは、これらをしてあげてもいいと思います。

しかし、これがその後も続いてしまうのは大いに問題があります。その理由は、子は保護者に頼り、保護者は子に頼られることに依存する「共依存」に陥ってしまうからです。これでは、子どもはいつまでたっても自分で考えて取り組めるようにはなりません。

テスト勉強中に踏み込んで口出ししたい気持ちをグッと抑えて、テスト結果が出たときにアドバイスをする程度にとどめ、本人の取り組みを見守ってください。

そのうえで、もしも「でも、私が言わないと日々、何もやらないんです!」という状況になってしまった場合は、塾や家庭教師の利用を検討してみるといいでしょう。

高校生のように本人任せにしすぎない

・気のない素振りでいつつも……

おそらく、この記事を読んでいただいている保護者の皆さんには、この項の内容は不必要であると思いますが、念のため書いておきます。今度は前の項目と逆で、「高校生のように本人任せにしすぎない」という注意点です。

いくら目指す着地点が「自分で考えて取り組めるようになる」というところであったとしても、いきなり手出しをゼロにするのはやりすぎです。

ふだん手出しをしていなくても、いざという場面では保護者の出番となるケースもあります。そんな場面のためにも、目だけは離さないでいてほしいのです。

以前、塾で本人の意向を尊重している中学生家庭と面談をする機会がありました。お母さまは「本人にある程度任せています」という姿勢だったのですが、本人の成績の話になったとき、詳細に点数の推移を記憶していて驚いたことを覚えています。

気のない素振りをしながらも、しっかりと子どものことを見ていたのです。

おそらく、子どもは感じているはずです。自分の意向を尊重し、自由にさせてくれているけど、ひとたび道を外れそうになったり、怠けて成績を大幅に下げたりしたときには厳しく指導されることを。

このように保護者に遠くから見守られてのびのびと学習ができる子どもは、やはり成績がいいことが多いですね(この生徒も成績上位の子でした)。私は、最終的にはこんな姿勢とかかわり方が理想ではないかと感じています。

「口を出さないようにするから、あなたの思うようにいろいろ挑戦してみるといいよ。その成果はしっかり見ているからね。ただ、明らかに間違っていたり、サボっていたりしたら全力で注意するからね」

これを振る舞いを通じてお子さんに感じてもらってもいいですし、そのまま口にして伝えてしまってもいいでしょう。お子さんが中学生活に慣れて軌道に乗ってきたら、保護者のかかわり方はこのモードに移行できるとベストだと思います。

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