発達支援のプロの「子どもの癇癪を未然に防ぐコツ」

熊仁美、竹内弓乃

スモールステップでやってみよう!

STEP1では、まずできる環境の工夫をお伝えします。

【STEP1】癇癪が起きない工夫をしよう

・[引きがねになるものは片づける]
1人あそびの時間には、上手に扱えるおもちゃだけ出しておく。


・[大人が一緒にあそぶ]
扱いが難しいおもちゃは、大人が一緒にあそんで、癇癪になる前に適宜手伝ってあげる。


・[望ましい行動を褒める]
落ち着いてあそべている時にこそどんどん注目して楽しい時間にする。STEP1で環境整備をして、癇癪やパニックの機会を最小限にしたら、STEP2で思いを伝える方法を丁寧に練習していきましょう。


【STEP2】伝える手段を予習しよう

・[まずは言ってみよう]
呪文のように「手伝って!」と言うゲーム。紙に◯を5つ書いて、「手伝って」と言えたら星マークを書いてあげるだけ。5個たまったらお楽しみ。


・[合図でもOK]
言葉を話すのが難しい時は、「手伝って!」の合図を練習する。たとえば大人の腕をトントンと叩く動作を、はじめは子どもの手をもって手助けしながら、できるたびにしっかり褒める。


・[カゴに入れる]
「手伝ってほしくない」(しかし自分でも難しい)というお子さんは、「難しい! もうやーめた」の意味で、投げずにカゴに入れる練習でもOK

STEP2で、意志表示のための行動を獲得したら、STEP3では実際の場面で練習してみましょう。

【STEP3】伝える手段を実際の場面でやってみよう

・[「手伝って」]
おもちゃがうまく操作できず、癇癪になりそうな瞬間に、大人がすかさず「手伝って!」と手本を言い、お子さんが「手伝って」と言えたら「いいよー見せてー」と手伝ってあげる。


・[トントンの合図]
癇癪になりそうな瞬間に、「トントンして」とお子さんの手を大人の腕に近づけてあげて、お子さんが大人の腕をトントンと叩けたら、「どうした?あぁ、難しいから手伝うね!」


・[カゴに入れて、やーめた!]
お子さんが入れやすい片づけ用のカゴを、お子さんのすぐ隣に置いておき、「やーめた! の時はここに入れてね」と伝えておく。癇癪が起きそうな時、すかさず「やーめた!だよ」とカゴを指さして誘導し、お子さんがカゴに入れられたら褒め、他のもっと楽しいあそびを一緒にする。