発達障害の子どもが「ゲームに負けるとキレる」2つの原因

熊仁美、竹内弓乃

STEP2「負けるが勝ち!」ロールプレイに取り組もう!

・[とにかくわざとらしく、コミカルに負けを演出]
ロールプレイで、大人が先にわざと負けて見せる。「うわー! 負けた!」とおおげさに床を転がったと思ったら、派手に立ち上がり「負けるが、勝ちー!」と叫ぶなど、くすっと笑えるリアクションをとる。ダンスをつけてもよい。


・[ポイントもおやつなど惜しみなく使う]
「あー負けちゃったね! 負けるが……?」と途中まで言い、お子さんが「勝ち!」と言えた瞬間にお菓子が出てくる状況をつくる。徐々に、負けるが勝ちポイントが3ポイントでご褒美と交換する。


・[どっちが負けるかを取り合ってみせる]
「負けたほうがいいことがあるんでしょ、負けたいー!」などとわざとらしく、負けを取り合ってみせると、より動機づけをあげられる。「しょうがないな、負けはゆずるよ……」と伝えよう。

STEP2でやったロールプレイの次は、本番での練習です。徐々に本当のゲームやあそびの中で同じように「負けるが勝ち」をやってみましょう。

STEP3 本番でも、「負けるが勝ち」をやってみよう!

・[なるべく負担の少ないゲームから]
大癇癪が起きてしまうあそびより、あまりなじみのない、地味なあそびからやっていくとよい。かけっこ競争などよりも神経衰弱やすごろくのような結果がすぐにわからないものが取り組みやすい。


・[ご褒美は最初はおおげさに、徐々に減らす]
本番のゲームではSTEP2で徐々に減らしたご褒美を、いったんまた増やして、開始しよう。慣れてきたら、また少しずつ減らしていく。


・[大人も対等に参加しふんだんにモデル提示]
できれば、大人が複数参加して、上手に「負けるが勝ち」をできているモデルを見せたり、逆に騒いでしまい、「そうじゃないよ、負けるが勝ちだよ!」と教えてもらっている場面などを見せてあげる。