子どもがお風呂を嫌がる原因は「床」? 発達障害の子の感覚過敏への対処法

熊仁美、竹内弓乃

上記の対処がうまくいかない場合もあります。そんな時は、まずは「楽しく入れたらいいか……!」と肩の力を抜き、1人で悩まずに周囲の人や専門家に相談をしましょう。

また、「冷たいのがイヤ」と口では言っていても、要因は他にある場合もあります。お子さんが上手に表現できないこともあるので、注意深くお子さんの行動を観察し、「こういう時は嫌がらなかった」「こういう時は嫌がった」という状況を詳しく見ていくことも重要です。

また、医療機関での対応が必要な場合もありますので、日常生活における過度に強い不安や恐怖が気になる場合には、早めに相談をしましょう。

対処1~5では、モチベーションをあげる、環境側を工夫する、衣類や履物を工夫する、あそび感覚で少しずつ触れる時間をのばす、という方法をご紹介しました。

これらは、お風呂の床に限らず、人工芝の上が苦手、砂の上を歩くのが苦手……という場合にも、活用が可能です。「支援のポイント」や「気をつけよう!」に書いたことに十分留意しながら、取り入れてみてください。

「できる」が増える!「困った行動」が減る! 発達障害の子への言葉かけ事典(大和出版
ABA(応用行動分析学)とは、行動の原因を「個人の心の中」ではなく、「個人と環境との関わり」から分析し解決していく心理学です。この考えを取り入れることで、お子さんのよい行動を引き出し、増やす、よい循環が自然と生まれます。本書ではこのABAをもとに、様々な声かけやアイデアをご紹介します。