離乳食に市販のうどんはOK? 赤ちゃんに「麺類」を与える時の注意点
離乳食初期(生後5~6ヶ月ごろ)からお世話になる食材といえば麺類です。特にうどんはちゅるりと食べられて、乳幼児が大好きな食材でもあります。しかし、同じ麺類でも「そば」はアレルギー反応が強く出ることがあるので注意が必要です。その他、そうめんについてもよくある疑問にお答えします。
※本稿は、ママびより編集部著・山口真弓監修『食材別Q&A 離乳食お悩み相談室』(ICE[インプレス])より、内容を一部抜粋・編集したものです。
ママびより編集部
「ママの声と体験から作る」をコンセプトに、ママの声をベースに役立つ情報(共感・安心)を提供するメディア。「ママびより」は、育児や妊娠の困りごとや悩みごとはもちろん、ママがいつも笑顔で楽しく過ごせることを目指したサイト。https://mamab.jp/
山口真弓(管理栄養士)
管理栄養士、健康咀嚼指導士。2児の母。所沢市内でママとベビー&キッズのための料理教室「スマイルキッチン」を主宰。無料LINEレッスン ママが「今」できること 配信中。コラム執筆、レシピ提供、児童館主宰の料理教室の講師など幅広くフリーで活動。
麺類の選び方
市販のうどんで大丈夫?
Q. 離乳食として食べさせるうどんは、子ども用のうどんではなく、普通に販売されているものでも大丈夫でしょうか?
赤ちゃん用(離乳食用)として売られているうどんは、塩分が控えてあったり、短く刻んであったりします。同様の条件を満たせば、他のうどんで代用しても問題ありません。塩分不使用のものを選び、月齢に合わせた大きさ・硬さにしてあげましょう。
また、塩分不使用でなくとも、塩抜きをすればOKです。ただし、塩抜きには手間がかかるので、最初から塩分不使用のものがおすすめです。
冷凍うどんでも大丈夫?
Q. 裏ごしをしてからならコシの強い冷凍うどんでも大丈夫でしょうか?
コシの強い冷凍うどんや茹でうどんは、どんなに長く煮ても裏ごしするのは結構大変なことが多いです。ですから、ドロドロ状にする・やわらかく煮るのに適しているのは茹でめんよりも乾麺がおすすめですね。
ただ、乾麺は塩分が多く含まれているので、お湯で茹でたあとはしっかり水洗いして塩分を落とすようにしましょう。最近は塩が使われていないものや赤ちゃん用の乾麺もあるようなので近くのスーパーやネット通販で探してみてください。なお、茹でて塩抜きした麺は冷凍保存も可能です。
冷麺は食べさせて大丈夫?
Q. 離乳食として「冷麺」を食べさせても大丈夫でしょうか?
離乳食としてはNGです。冷麺は弾力の強い麺なので奥歯が生えてからでないと噛むことが難しいことが多いです。ですから、子どもの歯の生え方に合わせてあげてみてください。
また、冷麺の塩分は汁まで飲むと6g程度です。汁を飲ませるなら、薄めてあげてください(離乳食後の1~2歳児であれば3~4倍)。
麺類の進め方・調理法
麺類の量はどのくらいがいい?
Q. おかゆには量の目安がありますが、そうめんやうどんはあまり見かけません。あげる量はどのように考えたらよいのでしょうか?
1回あたり目安として、次の量を参考にしてください。なお、乾麺は茹でると水分を含んで約3倍の重さになります。
・7~8ヶ月ごろ ⇒ 10~15g
・9~12ヶ月ごろ ⇒ 15~20g
・12~18ヶ月ごろ ⇒ 20~30g
※乾麺の状態での計量です。
うどんばかり食べさせて大丈夫?
Q. うどんが好きで喜んで食べます。ですが、ほかのものは口から出してしまいます。残される覚悟でいろいろなものを食べさせるべきか、好物の「うどん」を食べさせて食事のリズムをつけさせるべきでしょうか?
離乳食の期間は栄養を摂るだけでなく、食習慣を身につけ、味覚を育てるうえでも重要な時期です。うどんのようにのどごしがよいものだけでなく、噛み応えがあるものも食べて、噛む力も育ててあげたいですね。
あくまでうどんは1日に1食にするなど回数を制限し、他のものにも挑戦していきましょう。
ちなみに、口から出してしまうものの“かたさ”や“なめらかさ”は月齢や発達に合ったものになっていますか? 味付けは工夫していますか?いろいろな変化をつけて観察してみるといいでしょう。
そばは避けたほうがよい?
Q. そばはいつ頃から食べさせるのがよいでしょうか?
そばは離乳食期には避けたほうがよい食材です。離乳食が完了したあと、はじめのひとくちを食べさせてみます。
そばはアレルギーを起こしやすい7大アレルゲンの1つ。症状が重く出る可能性もあるため、離乳食期は食べさせないことをおすすめします(2歳ごろからがベストです)。
そばのアレルギー症状としては、蕁麻疹、かゆみなどの皮膚症状、嘔吐、下痢などといった反応があります。症状が出るまで数分から数時間かかるので、子どもの様子をみながら増やしていきましょう。
また、おそば屋さんでうどんを食べる際も要注意。そばとうどんを同じ湯で茹でているお店も多く、アレルギー症状が出ることがあります。
そうめんをペースト状にするには?
Q. そうめんをペーストにしたいのですが、裏ごしをしてもベタベタしてしまいます。どう調理したらよいでしょうか?
そうめんをペーストにする場合は、やわらかく茹でてみじん切りしたあとに、すり鉢などですりつぶすのがおすすめです。フードプロセッサーがあると簡単ですね。
ベタベタしてしまうのは、小麦のタンパク質が水と反応してネバネバしてしまい、固まってしまうのが原因です。あまり、グルグルとかき混ぜずにうえからたたくようにつぶすとよいでしょう。
また、うどんやそうめんなどの麺類は、裏ごししなくても大丈夫です。というのも、まだ裏ごしが必要な時期には食べさせる必要がないと考えています。
あげる際は、アレルギーとグルテンの作用から量と頻度に注意してあげましょう。うどんやそうめんに含まれるグルテンは、腸内環境を乱しアレルギー反応を引き起こしたり、お腹の調子を悪くしたりすることがあります。依存性が高い食物なため、常食は控えるようにしましょう。
特に便秘や下痢の赤ちゃんは避けるのがベター。多くても、週に1回程度にすることをおすすめします。うどんやそうめんは、離乳食初期のおわりごろから使用できますが、上記の理由から離乳食中期ごろからでも遅くありませんよ。
麺類の長さはどのくらいに切ればいい?
Q. 離乳食のレシピに、「麺類は時期にあった長さに切る」とありました。どのくらいの長さがいいでしょうか?
お子さんの食べ方の成長に合わせて、下記を目安にしてみてください。
・離乳中後期くらいはスプーンに乗せて食べやすい1cmくらい
・その後は手づかみで食べやすい3~5cm
・フォークに絡ませられるようになったら8cmくらい
食材別Q&A 離乳食お悩み相談室(ICE[インプレス])
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