内申点の合計で変わる! 中学3年の「高校入試勉強スケジュール」の組み立て方

國立拓治

【レベル別】高校入試勉強の全体像

さて、「高校入試勉強の全体像」について、もう少し詳しく見ていきましょう。

学力に応じて取り組んでほしい勉強内容が変わってくるので、先ほどご紹介した全体像をレベル別に3パターン見ていくことにします。

具体的には、学校の主要5教科の内申点の合計別で「5教科の内申点20以上」「5教科の内申点15以上19以下」「5教科の内申点14以下」の3パターンです。

「取り組む時期」の目安がつくように、全体像の図に時期を加え、取り組む内容についても少し書き加えています。もちろん、これはあくまでも1つの例です。

先にもお話ししたように、ここからあなたが住んでいる都道府県の状況や、塾に通っているかどうかなどによって、入試勉強のスケジュールはさらに変わっていきます。これらを踏まえたうえで、多くの人に共通しそうな例だと思って見てください。

【5教科の内申点の合計が14以下の生徒】

まずは全体像の基本形に一番近い入試勉強スケジュール例で、5教科の内申点の合計が14以下の生徒にお勧めするバージョンを見ていくことにしましょう。

予定の枠が点線になっているのは、「内申点を高めるために定期テスト対策を最優先してほしい」という意図を表しています。部活が終わるまでは、入試勉強に取り組めなくてもしかたがないということですね。定期テストの3週間前くらいから入試勉強をやめてしまっていいでしょう。

また、各単元の最後に掲載されるような難問は、手が出ないときは飛ばしていくことが、進むペースを守るためにも重要なコツです。

【5教科の内申点の合計が15〜19の生徒】

次に、5教科の内申点の合計が15〜19までの生徒にお勧めのスケジュール例を見ていきます。言い換えれば、内申点がオール3からオール4近くの生徒に向けてのものですね。「新教材演習」が、基本形から加えられた部分です。

勉強ペースの途中目標としては、「3年間の復習の2回目をゆとりをもって夏休み中に終了する」ことを目安にやれるといいでしょう。

内申点が4以上の教科であれば、最初の教材の仕上がり具合がよければ、夏休み以降で2冊目の入試教材を追加購入して取り組んでいくのもお勧めです。

【5教科の内申点の合計が20以上の生徒】

ラストは、5教科の内申点の合計が20以上の生徒にお勧めのスケジュール例です。換言すれば、最上位校を目指すような内申点オール4以上の生徒へ向けてのものです。

勉強ペースの途中目標は、「3年間の復習の2回目を夏休み前に終了する」ことを目安にしてください。終えることができたら、新たな取り組みに入ります。

このレベルの生徒であれば、過去問演習を早くスタートできるように、2学期以降の学習内容の予習に取り組むということも可能でしょう。また、2冊目の入試向け教材を購入して夏から発展演習に取り組むこともお勧めします。

以上、主要5教科の内申点の合計別に、高校入試勉強の全体像と1年間のスケジュール例を見てきました。

どの学力の子であっても、入試勉強のスケジュールを考えるうえでのポイントは、以下の3つです。

●3年間の復習の2回目完成のタイミングを途中目標とすること
●過去問演習をどのタイミングからスタートするかを決めること
●入試向け教材の2冊目の購入と演習をどうするか決めること

繰り返しになりますが、ここで紹介した3パターンのスケジュールとやるべきことは、1つの例に過ぎません。ここから「入試向け教材が配付されているか」「塾に通っているか」など、状況で変化があるでしょう。

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