突然キレる、笑う…発達障害の子の複雑な感情の裏側で起こっていること

岩瀬利郎
2023.12.14 14:41 2023.06.28 11:50

子どもの感情を理解しながら話し合う

発達障害の人が見ている世界

気分が態度に直結しやすいADHDのお子さんも、成長とともにある程度、落ち着いてくるはず。でも我が子が極端に衝動的だと、親御さんは心配ですよね。特に、ささいなことで怒ったり、さらには暴力的になったりしてしまうようなら、対処が必要です。

まずは気持ちを落ち着かせることが第一。

少し離れた場所に行って、静かに理由を尋ねましょう。その理由に理解を示したうえで、「そういうときはこうしよう」と解決策を一緒に考えます。頭ごなしに叱ることは、本人が自信を失ってしまうので絶対に避けてください。そして、うまく感情をコントロールできたら、必ず褒めることです。

経験を積むには年月を要しますが、付き合ってあげられるのは家族しかいません。ぜひ、温かい目で見守ってあげてください。

<ポイント>
・その場所を離れて、静かに話し合う
・頭ごなしに叱ると自信を失ってしまう
・家族が寄り添うことが何より大切

岩瀬利郎

東京国際大学医療健康学部准教授/日本医療科学大学兼任教授。埼玉石心会病院精神科部長、武蔵の森病院院長、東京国際大学人間社会学部専任教授、同大学教育研究推進機構専任教授を経て現職。精神科専門医、睡眠専門医、臨床心理士・公認心理師。

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これまで1万人以上の発達障害の人たちと向き合ってきた精神科医の著者が、発達障害の特性を持つ人、とりわけADHDとASDの人が"見ている世界"を紹介する一冊。理解に苦しむその言動も、本人たちが物事をどう受け止め、感じているのか、つまり"見ている世界"を理解し、その対応策を学ぶことで、ともに生きるのが楽になるはずです。