12歳までの子の親は注意! 子どもの自己肯定感を下げる「NGワード」

宮崎直子

子どもにいかに幸せな人生を送ってもらえるかと考えている優しい保護者の皆さまの中には、まずは子どもに高い自己肯定感を身につけてもらいたいと願っている方も多いことでしょう。

自ら一児の母であり、コーチとして子育てに悩む親御さんのコーチングもしている「鋼の自己肯定感」の著者、宮崎直子さんに子どもの自己肯定感はどのように決まっていくのか、どうしたら子どもは高い自己肯定感を持つことができるのかをお聞きしました。

宮崎直子(みやざき・なおこ/ライフコーチ)
三重県生まれ。シリコンバレー郊外在住。津田塾大学英文学科卒業後、イリノイ大学で社会言語学や心理言語学を学んで修士号を取得。シリコンバレーでソフトウエア会社を起業、経営し大手コンピュータ会社に売却。稲盛和夫氏の盛和塾シリコンバレーに8年間塾生として所属し、広報を務める。アラン・コーエン氏のもとでコーチングを学び、ライフコーチに。著書に『鋼の自己肯定感』(かんき出版)がある。
宮崎直子公式サイト  http://www.naokomiyazaki.com/

「三つ子の魂百まで」には科学的根拠があった

現在脳科学の研究が発達して実は何歳になっても人は性格も能力も変えられるということが分かってきています。では昔から言われている「三つ子の魂百まで」というのは嘘だったのかというと、決してそうではありません。

それは子どもと大人の脳の違いにあります。脳波は物事を分析するときに出るベータ波、リラックスしているときに出るアルファ波、うとうとし始めるときに出るシータ波、そして完全に寝ているときに出るデルタ波に分かれます。

3歳までの子どもの脳波はほぼ100%デルタ波またはシータ波です。12歳ごろからやっとベータ波が出てきます。赤ちゃんが寝てばかりいるのはこのためです。

12歳以下の子ども、特に3歳までの子どもは、分析思考が全くできないので、聞いたことを本当か嘘か分析することなくそのまま信じてしまいます。子どもが生まれて初めて接する環境であるご家庭でこの時期に親御さんからどんな声がけをされるかで子どもの「最初の」自己肯定感のレベルが決まります。

私はコーチとしてこの最初の自己肯定感を大人になってから意識的に書き換える方法をお伝えしていますが、意識をせずそのままにしておけば、文字通り百歳まで最初の自己肯定感のレベルが続くことになります。これが三つ子の魂百までと言われてきた所以です。

12歳までの声がけが鍵

私は自己肯定感を「ありのままの自分を無条件に受け入れ愛すること」と定義しています。そこにはよく一緒にされてしまう「自分は何かができる」という自己効力感は含まれていません。つまり、自己肯定感というのは、何ができる、できないにかかわらず、自分は素晴らしい、生きるに値する人間だと思える気持ちのことです。

大人になってから本人の意思で自己肯定感を高くすることが可能とはいえ、始めから自己肯定感が高く育つに越したことはありません。では、最初の自己肯定感のレベルが決まる12歳までに具体的にどんな言葉をかければ子どもの自己肯定感は高まるのでしょうか?

子どもの自己肯定感を高める言葉がけ

子どもの自己肯定感を高めるには、「あなたは存在レベルで価値がある。存在レベルであなたのことを愛している」と日々伝えることです。

一番簡単なのは毎日朝晩「〇〇ちゃん、おはよう」「〇〇ちゃん、おやすみ」と子どもの顔をしっかり見て笑顔でにっこり言うことです。

さらに、以下のような言葉がけを心を込めて日々行うことで、子どもは自分の存在そのものに価値がある、能力には関係なく愛されていると理解します。

「お母さん(お父さん)はあなたが生まれてきてくれて本当に嬉しい」
「あなたが生まれてくれた日が私の人生で一番嬉しい日だった」
「お母さん(お父さん)のところに生まれてきてくれてありがとう!」
「大好き!」
「あなたは私の宝物」