罰を与えると逆効果…「イタズラをする子ども」に親がとるべき態度

イザベル・フィリオザ[著],土居佳代子[訳]

起きてしまったこととあと片づけのペナルティ


 <『子どもの気持ちがわかる本』P.164より>

自分のしてしまったことがどんな結果になったかがわかる年齢なら、わざわざ叱ったり罰したりしなくても、ある意味感じとれます。自分のせいでどんなことが起こったかを意識して責任を感じさせるほうが、叱るより建設的です。

どんな態度をとるかを決めるには、子どもが何を感じているかに気を配ってあげましょう。もし、あなたが友人宅でティーカップやワイングラスを落としてしまったら?

戸惑って、自分をダメな奴と感じ、何か役に立つことをして、起こってしまった事態を修復し、自分のイメージも回復したいと思うのではありませんか? 子どもだって同じなのです。

この、あと片づけもしつけのチャンスです。せっかくのチャンスを生かすために、命令するのではなく、どうすればいいのかを教えてあげるようにしましょう。3歳くらいになると、子どもは自分が起こした問題を解決することを進んでするようになりますから。

もちろんガラスの破片が床に散らばった時などは、危険ですから大人が片づけますが、子どもはたとえば、ホウキやチリ取りを持って来ることができるのではないでしょうか?

乱暴なことをしても、何事も起こっていない時ならば、「放り投げるのなら、トラックはママが預かっておくネ」などと伝えましょう。おもちゃを取り上げる時間は、年齢に合わせて加減することが大事です。そうでないと効果がありません。2歳では5分まで、4歳なら1時間まで。

子どもが成長するのを助けるためには、問題そのものよりも解決の仕方のほうに重点を置きましょう。

子どもの気持ちがわかる本(かんき出版)
子どもの困った行動に対して、「子どもの言い分」や「科学的な裏付け」などさまざまな視点から分析したうえで、ママやパパが対応する方法を示した育児書。最新の神経生物学や生理学に基づき、子どもの話を聞くこと・同調することに焦点を当て、子どもの行動の裏にある動機を分析する手法を提案する。