暴力で荒れ放題、不登校だった娘の「復学を後押しした」親の態度
不登校の悩みは、実際に経験していない人にはなかなか理解が難しいものです。そこで、本稿では不登校コンサルタントであり、不登校ママ脱出講座を主催するランさんが、受講生の親が語った体験記を紹介します。
※本稿はラン著『子どもが不登校になっちゃった!』(すばる舎)から一部抜粋・編集したものです。
ラン(不登校コンサルタント・不登校人気ブロガー)
アメブロランキング「#不登校」第1位(デイリーランキングで多数獲得)。28歳で起業。33歳で娘を出産。一家の収入を担うワーキングママ。我が子が不登校になり、親としての数々の失敗を経験する。完全不登校脱出まで約5年かかった娘は、希望の大学に合格し、現在、大学生活を謳歌中。自身の経験を綴ったブログでは、親子の明るい未来と人生の秘訣を伝えている。
同じ苦しみは体験者にしか分からない
娘の不登校当時、私が切望していたことの1つに、子どもが不登校を脱出したママの話を聞きたいというものがありました。本やネットでの情報ではなく、リアルな生の声が聞きたかったのです。
実際に、私に希望の光を与えてくれたのは、元不登校の子を持つママでした。彼女から、「自分の子どもがどうやって不登校から脱出したのか?」という話を聞いた時、出口のないトンネルに、一筋の希望の光が差し込みました。
これから紹介する不登校の子を持つママの体験談は、私が主催する「不登校ママ脱出講座」の受講生による生の声です。
あなたと同じ苦しみを味わうママたちがどのように変化し、どのように子どもたちが動きだしたのかを知っていただくことで、よりリアルに不登校脱出のプロセスを感じ取っていただけるかと思います。どうぞ、ご覧ください。
1日中ゲームをしていた息子が、高校、塾にも自ら行き始めた!
・Rさん 現在、高1男子の母。
不登校開始時期は中2。不登校歴は約1年半
真面目な性格の息子は、中学2年生の夏、部活の子たちからイヤなことを言われたことをきっかけに、すべてがイヤになってしまい、学校に行かなくなりました。それからは1日中、部屋にこもりゲームをして、勉強は一切しませんでした。
私が何か話しかけると、「ウザイ!」と言って、口を聞いてもらえない時もあったので、同じ家の中にいるのにLINEで会話という時もありました。
ランさんの講座を受け始めた時、自分の軸がブレてしまうことを直したいと思いました。子どもを見守らなければならないと思うのですが、やっぱり心配で口出ししてしまうのです。
たとえば私の余計なひと言で、親子の会話は中断し、関係が悪くなり後悔するのですが、それでも、「このままじゃ、息子はろくな人間にならないんじゃないか?」と思い、「親だからこそ、説教してでも息子の考え方を直さないといけないのでは…?」という衝動に駆られ焦ってしまうのです。
挙げ句の果てに、高校受験の時、「オレは高校に行かない!」と息子から言われ、私のメンタルはかなり追い込まれました。
「これ以上の失敗はできない」と思い、息子に進路の話をする時は、「どう息子と話をするのか?」の想定問答をノートに書きだし、頭の中で練習してから話をするようにしました。
すぐにうまくはできず、息子を怒らせてしまうことも多々ありましたが、少しずつ息子と進路について話ができるようになりました。高校を決めるまで、息子も私も感情の起伏があって大変でしたが、何度も話をし、最終的には息子が自ら高校進学を決めました。
現在、息子は高校1年生ですが、塾にも通い、バイトもやりたいと言っています。履歴書などを自分で準備して、面接日時も自分でメールや電話で交渉しているので、何事も経験なのだなぁ…と感じています。
私自身も、息子を待てるようになりました。息子が失敗すると分かっていても、以前のように焦らず、必要なタイミングでのサポートができるようになりました。
息子が不登校から脱出してまだまだ不安定なこともありますが、ランさんの講座を受けて、子どもの先回りをせず、寄り添い待つ姿勢が大切だと思いました。
わが家は本当に手こずったケースだと思いますが、この1年半を考えれば、すべてが奇跡的な話なので、これからも周りの人に協力してもらいながら、時々不時着しながら、息子の行きたいゴールまで伴走していきたいと思っています。