子どもの「お手伝いしたい」は急成長のチャンス! 男の子がぐんぐん伸びる育て方のポイント

神成美輝,百枝義雄(監修)
2023.07.06 13:43 2023.07.06 11:50

洗濯を畳む男の子とパパ

子どもの「お手伝いしたい」という気持ちは尊重したいものの、余計な仕事が増えてしまうかも、と親はつい後ろ向きになってしまいますよね。
子どもにお手伝いをさせるメリット、そして親の負担を減らすコツを、モンテッソーリ育児アドバイザーの神成美輝さんに教えていただきました。

※ 本稿は、神成美輝著『モンテッソーリ流「才能がぐんぐん伸びる男の子」の育て方』(日本実業出版社)より、一部抜粋・編集したものです。

(著者)神成美輝(かんなり みき)
モンテッソーリ育児アドバイザー。保育士、幼稚園教諭2種。

(監修者)百枝 義雄(ももえだ よしお)
吉祥寺こどもの家園長。モンテッソーリ・ラ・パーチェ トレーニングコース代表。

家族の一員として活躍してもらう

「お手伝いをしたい」というのは、社会的行動を身につけるための敏感期のひとつです。ですから、私たち親は、子どもの「お手伝いをしたい」という気持ちを大切に育てていかなければなりません。

私たち親は皆、子どもの将来に期待をしています。しっかりと自立してほしい。社会に出て活躍してほしい。そう願っているものです。

そうであるならば、社会に出る前の家庭において、しっかりと家族の役に立ち、家族の一員として活躍をしていなければなりません。それが、社会に出るための訓練に もなるからです。小さい頃からのお手伝いが大切なのは、それが社会に出て働くための下地となるからです。

お手伝いがお手伝いにならないのは、当たり前

母親と男の子

もちろん、最初のうちはお手伝いをしてもらうと、こちらの仕事が余計に増えてしまいます(笑)。「料理のお手伝い」をさせたら、材料を床にこぼす。「掃除のお手伝い」をさせたら、ゴミをよけいに撒き散らす。「洗濯のお手伝い」をさせたら、せっかく畳んだ洗濯物をぐちゃぐちゃにしてしまう……。そうなってしまうことがわかっているから、お手伝いをさせないというご家庭も多いのです。

しかし、「お手伝いをしたい」という気持ちを育む敏感期を過ぎてからでは、いくらできる年齢になったとしても、その気持ち自体を失ってしまいます。

小さい頃の「お手伝いをしたい」という気持ちに対して「ダメ」といい続けていると、子どもは「お手伝いはしなくていいことなのだ」と学んでしまうのです。

ですから、お子さんが大きくなって、親御さんが「さあ、そろそろお手伝いもいろいろできる頃。あれやって、これやって」といっても、「何で?」「ヤダ」「やりたくない」などといわれてしまうのです。それは、「お手伝いをしたい」と強烈に思った頃に、否定され続けたからに他なりません。

一番大切なのは、ちゃんとできるかという結果より、子どもの「お手伝いをしたい」という気持ちを汲んであげることです。そうすれば、お子さんは「お手伝いをすると楽しい」「お手伝いはするものだ」ということを体験として学べます。

「置き換えの法則」でお願いする

服を畳む子

そうはいっても、お手伝いをしてもらったばかりに、毎回ママの仕事が増えるのは、大変です。そこで我が家では「置き換えの法則」を使っています。

先日も私が夕飯の支度をしている最中、次男が「床をふく」といい出しました。

雑巾は手元にないし、コンロから目が離せません。そこで、「床は汚いから、テーブルをふいてね」といって、近くにあった布巾を渡しました。息子はそれで満足し、テーブルをきれいにふいてくれました。

「洗濯物を干したい」という長男には、カゴから干すものを取ってもらいます。そうすると「お父さんのパンツ、お母さんの……」などといいながら、楽しそうに手渡してくれます。私も腰を曲げないですむだけ、ちょっとだけ楽ができます。

こんなふうに、「掃除機をかけたい」といったら、最後のほうだけお願いしたり、「洗濯物をたたむ」といったら、タオルだけお願いしたり工夫をしています。子どもの「お手伝いができた」という達成感を大切にするために、できることに置き換えてお願いしているのです。