不倫すると親権をとれない? 「子連れ離婚」をする前に絶対に知っておくべきこと

新川てるえ、ふじいまさこ

③お金に関すること(婚姻費用、慰謝料、財産分与など)

離婚後の親子の生活のために、お金のことも冷静に話し合っておきましょう。

離婚前に別居する場合は、主な稼ぎがあるほうが、そうでないほうに婚姻費用を渡さなければなりません。民法で、同居・別居にかかわらず、夫婦には助け合う義務があるとされているからです。

離婚原因を作った側が、相手に「慰謝料」を払う場合もあります。慰謝料というとどちらが悪いのか白黒つけるようなイメージで、払う側が受け入れられないケースがあるので、「和解金」「解決金」と呼ぶ場合もあります。

慰謝料の金額は夫婦で話し合って決めます。協議離婚の場合は公正証書にしましょう。なお、離婚したことによる精神的損害については、離婚後3年以内なら請求できます。

財産分与とは、結婚中に夫婦が協力して築いた財産を分け合うことです。分与の対象となるのは、預貯金や自動車、不動産、家財道具などです。主な稼ぎ手が夫で、各種名義人が夫である場合でも、妻の協力があっての財産ですから、分与の対象となります。

ただし、結婚前からそれぞれが持っていた財産などは分与の対象にはなりません。まずは財産分与の対象となるものをリストアップして、それぞれの金額(評価額)を計算し、夫婦で分け方を話し合いましょう。一方が専業主婦の場合でも、裁判では5割の分与率を認められることが多いようです。

私はカウンセリングで、離婚に迷いがある方には「まだ離婚するタイミングではない」とお伝えしています。離婚するタイミングは「しょうがないからする」ではなく、「離婚したほうが絶対に幸せになれる」と思えたときです。

既に離婚を決意している方、まだうっすらと考えているだけの方、いろんな状況の方がいると思いますが、きっと備えは無駄にはなりません。正しい情報は、あればあるだけ、あなたを強くします。

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