週末はつい外食…「お金が貯まらない」子育て家庭がしがちなNG行動
物価高騰や電気代の値上げをうけて、多くの子育て家庭が家計のやりくりに悩んでいます。どこのご家庭も苦しい状況のいま、少しでも貯蓄を増やすために「子どものための節約」を始めてみませんか? どれもすぐに実行できるものばかりです。子どもの将来に向けた家計防衛術を、消費生活アドバイザーの和田由貴さんが解説します。
※本稿は和田由貴著『即実践! 即効果! 節約のプロがおしえる家計防衛術100』(辰巳出版)から一部抜粋・編集したものです
和田由貴
消費生活アドバイザー。家電製品アドバイザー。食生活アドバイザー。暮らしや家事の専門家として、幅広い分野で活動。「節約は、無理をしないで楽しく!」をモットーに、日常生活に密着したアドバイスを得意とする。私生活でも2 人の子を持つ母で、現役の”節約主婦” でもある。『あさイチ』『羽鳥慎一モーニングショー』『ひるおび』『ホンマでっか!? TV』をはじめとした数多くのワイドショーや情報番組に出演し、講演、執筆活動なども精力的に行っている。また、環境カウンセラー、省エネ・脱炭素エキスパートとして環境問題にも精通している。
旅行の際にはコストを抑える計画を!
・月の予算を決めて計画的にお金を使うよう心がける
・遠出するなら下調べと計画が大事
・お金をかけなくても子どもは楽しめる!
幼い頃からいろいろなところへ連れて行ったり、さまざまな体験をさせてあげることは家族の楽しみとしても、子どもの教育面でもとても素敵なことだと思います。そうしたレジャーにかかる費用は、かけようと思えばいくらでもかけられますし、逆に抑えようと思えば抑えられる部分でもあります。
だからこそ、ここもしっかりと月々の予算を決めて、なんとなく雑費のように扱わずに管理することが重要です。レジャー費の枠が決まっていれば、月に数回はコストをかけずに近場で遊び、少しお金を貯めてから大きな旅行をするなど、計画的にお金を使えるようになると思います。
旅行に行く際には、宿泊先や交通手段などは早めの予約で割引を適用し、行楽施設の入場券なども金券ショップなどで入手できると、思った以上にコストを抑えられますよ。
ただ、子どもが幼い頃は、大人ががんばって計画して連れて行った場所よりも、近くの公園で水遊びしているほうが楽しそうだったりもしますよね。ちょっと残念な気もしますが、お金をかけずに楽しめる場所があれば、それ以上にいいことはないと思います。
レジャー費でかかる食費に注目! なんとなく使いすぎない工夫を
・特別なイベントであればぜいたくな食事もOk
・成り行きで外食が増えないように注意
・お弁当やおやつの持参にも工夫する
宿泊費や交通費はもちろんですが、レジャーにかかる費用のなかで押さえておきたいポイントは、実は「食費」なのです。このときの食事代もレジャー費に含めて、特別なイベントとしてぜいたくをしようと計画しているのなら、思い切り楽しんでいいと思います。
ただ、たとえば遊園地へ行って、昼は園内でぜいたくにランチ、その後も成り行きで「帰りも遅くなったから外食にしようか」となってしまうと、レジャー費に加え、食費にもコストがかかってしまうことになります。
また、お出かけ中には、お菓子や軽食などの誘惑もいっぱい。楽しいレジャーで子どもにねだられると、ついついおやつも買ってしまうのではないでしょうか。
そうした出費をできるだけ抑えるために、お弁当やお菓子を持っていくという方も多いと思います。小さな子どものおやつは、すぐに食べられるような工夫をしたり、詰め合わせたり、ラッピングをしたりとひと手間かけると、いつも家で食べるのとは違う特別感も出て、子どもも喜ぶと思いますよ。
おやつ代節約のポイントは毎日のおやつタイムを決めること
・手作りおやつにこだわらなくても節約できる
・おやつは時間を決めて習慣にする
・手の届くところにジュースやお菓子を置かない
おやつを手作りにすれば、コストもかからず体にも安心です。ヘルシーで簡単な手作りおやつもありますが、それでも毎日となるとちょっと大変ですよね。
子どもにとって、お菓子はいつだって食べたい魅力的な食べ物です。買い物に行ってお菓子を見つけたら、「これ食べたい」となるのも仕方がないかもしれません。
ですので、お菓子やジュースは、仮に買い置きしたとしても、子どもの目につかないところへ保管しておきましょう。いつも冷蔵庫にジュースが入っていたり戸棚のなかにお菓子があれば、つい手が伸びてしまいます。おやつ代としてもそうですが、それでは子どもの虫歯や健康面でも心配です。
おやつ代節約のポイントは、まずは食べる時間を決めること。たとえば「1日1回3時」と決めてしまえば、それが習慣になり、その時間以外はもらえないと理解してくれると思います。子どもにとっても、ムダにおねだりしなくてもよくなるので、親子ともストレス知らずでおやつの時間がいっそう楽しい時間になるはずですよ。
普段着類はコストを抑え、お出かけ着は売る前提でブランド品を
・子ども服はワンシーズンで着られなくなることを意識
・着古す服と着る回数が少なくサイズアウトする服を分類
・ネットフリマやオークションを活用!
成長が早い子どもの服は、ワンシーズンだけで着られなくなるものがほとんどですよね。また、下着や毎日のように着る普段着の服などは、サイズアウトすることも見越して、そのシーズンで着古してしまう前提で、コストをかけないほうが節約につながります。
それに対して、お出かけ着や冬物のアウター、入学式や卒業式のようなイベントで着る服に関しては、コストがかかったとしても定番のブランド品を買うのをおすすめします。これらは着る回数も少ない上に、ワンシーズンでサイズアウトするので、ほとんど傷まないまま着なくなってしまうと思います。
そこで、ぜひフリマアプリやネットオークションを活用しましょう。定番ブランドの服で、しかも傷みがほとんどなければ、買った値段とそう変わらない金額で出品しても買い手が見つかることが少なくありません。
特別なときの服でも、できるだけ安く購入したり、衣装レンタルをする方法などもありますが、売ることを前提にかしこく購入するのもひとつのテクニックです。
お菓子やおもちゃもムダ買いしない
・お菓子やおもちゃは買ってあげるタイミングを決める
・子どもに欲しいものを真剣に考えさせる
・売ることを前提に定番のおもちゃを買う
子どもと一緒に買い物に行くと、毎回のようにお菓子やおもちゃをねだられるというご家庭も多いと思います。値段が高くない商品なら、「ダメよ」と言い聞かせるのも面倒になり、つい買い与えてしまうこともあるのでは。
私の場合は、子どもが小さい頃、「週に1回だけ」お菓子を買ってもいい日を決め、その日以外はおねだりしないという約束をしていました。おもちゃは、クリスマスやお誕生日などの特別な日限定でおねだりできると決めておきました。
すると、子ども自身で欲しいものを真剣に考え、買ったものも大事にするようになったのです。これは「何が必要かを吟味してお金を使う」ことにもつながり、幼い頃から習慣として身につけさせられる、お金の教育でもあると思います。
また、洋服と同様に、おもちゃは使わなくなったら売ることを前提に定番の人気商品を購入するのも手です。外箱をできるだけきれいな状態で保管し、子どもがおもちゃのパーツをなくしたり壊したりしないよう注意して後片付けを一緒に手伝ったりすると、物を大事にする習慣にもつながりますよ。
子どもと一緒に節約するために自分の消費を意識させる
・まずは親が普段から節約のための行動を実践
・子どもは親のまねをすることで自然と節約が身につく
・大きくなったらスマホ代などもおこづかいに組み込む
子どもにも節約に協力してもらうためにはどうすればいいか? これもみなさんに共通するお悩みではないでしょうか。実は、一番効果的なのは、親が実践してみせることなのかもしれません。ありふれた言い方かもしれませんが、子どもは親の背中を見て育つものです。
たとえば、「電気はこまめに消す」「お風呂のシャワーは出しっぱなしにしない」などといった細かなことから、「買い出しをするときにはムダ買いしないように、家の在庫をチェックする」「安いものでも吟味して買う」など、普段の何気ない行動や買い物の仕方なども、自然にまねするようになると思います。
節約のためと意識するのではなく、自然に身につく行動ですので、子ども自身にとっても大きな財産になりますよね。
また、子どもがある程度大きくなれば、スマホ代など使い方によって変動する固定費をおこづかいのなかに組み込むのもいいかもしれません。親が出してくれるお金として無関心だった費用について、自分の消費として考えさせることで、一緒に節約へ取り組むことができますよ。