「上の子を可愛いと思えない」きょうだい育児に悩む親に伝えたいこと

天野ひかり、とげとげ。

子育てで不安になったときに、気持ちがラクになる考え方のコツは?

・みんな一生懸命に子育てしている

「NGマンガと同じことばかりやっていて、反省することばかりです。もっと早く知りたかったと思い、手遅れ感が否めません。このままでは、わが子は自己肯定感の低い子になってしまうのでしょうか? 私が、これからもっとがんばればいいのでしょうか? 不安です」

こんなお悩みをたくさんいただきます。少しでも子どもとよいコミュニケーションをとりたいと思ってくださっていること、とてもうれしいです。その思いは、お子さんにしっかり伝わっているので問題ないと思いますし、子育てに遅すぎることはないので、今日からでも十分間に合います。

いくつになってもやっぱり「認めてもらえたらがんばれる」と思うことがあります。何歳になっても、誰に対しても、コミュニケーションの基礎は同じだと思いますよ。

一方で、親として、一生懸命すぎると辛くなることがありますね。どう切り替えたらいいのでしょうか。よくあるシーンをマンガで見てみましょう。

忙しい毎日の中で、丁寧に子どもを「認めていく」って大変です。親として、真面目なお母さんお父さんほど、うまくいかないと自己嫌悪に陥ってしまうことがあります。私は、子どもの前で、怒ることも、泣くことも、大笑いすることも、愚痴を言うこともなんの問題もないと思っています。

ただ、「自分1人で育てているわけではない」と気づけると、楽になるのではないでしょうか。OKマンガを見てみましょう。

親のいないところでも、子どもはちゃんと成長している

お母さんは怒ったことを心配していましたが、親の知らないところで子どもたちはちゃんと認められていましたね。こうして自己肯定感は育っています。

お母さんお父さんも、仕事に、家事に、子育てに、あまりに忙しい日々が続くと、イライラすることもあります。子どもをうまく認められないと、自分を責めてしまうこともあります。

でもね、子どもって、いろいろな人と関わり合って、育っていきます。親が怒ってしまって認められない日があったとしても、先生やお友だちやお友だちのお母さんお父さんに、認めてもらったり、ほめられたりして、自己肯定感を育てているので大丈夫です。

これが、みんなで子どもを育てていく意味だと思っています。夏休みに、おじいちゃんおばあちゃん、親戚のおじさんおばさん、従兄弟と会って、子どもが一回りも二回りも成長するのは、こうしたいろいろな価値観に触れることで、認められる機会や視点が増えるからだと思います。

1人で抱え込んで不安にならなくても、子どもは親が思っているよりずっと賢い! だから大丈夫! と思えると楽になりそうです。

言葉かけを変えるだけで、子育てに自信が持てる

本稿でNGマンガとしているのは、「この言葉かけをしたらダメですよ」と伝えたいのではなく、OKとNGを対比してみることで、「認めることの真意」が明確に伝わればいいなと思って書いています。

実際、「子育てがうまくいかずに、自分が悪いのかと自己嫌悪に陥っていたのですが、言葉かけを変えたら、とてもうまくいって、私が悪いのではなく、言葉かけを間違えていただけだと気づいて、子育てに自信が持てました」という声もたくさんいただきます。みんなで一緒に、子どもを育てていきましょう。

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