子どものコミュ力を育てる「親の3つの質問」
相手が興味のあることって何だろう?
【質問1】トークで5人の人を楽しませなければならなくなったら、あなたは何の話をする?
トークで人を楽しませるコツの1つは、自分自身が楽しむことです。しかし、自分だけが楽しんでいて、周りを置いてきぼりにしているのでは、それは自己満足に過ぎません。
また、トークで楽しませる方法は、必ずしもお笑いだけとは限りません。とても感動する話や、興味深い話でも十分に楽しんでもらえるものです。大事なのは、楽しませる相手が誰なのか、相手が興味のあることを知っているのか、そしてそこに思いが馳せられるのかどうかです。
さらには、楽しませる必要がある5人は、何か同じ目的をもって集まった人なのか、お互いにまったく知らないランダムに集められた人なのかによっても違います。
何か共通点がある人たちならば、その共通点を活かすべきですし、ないならば、どんな人でも楽しめるようなテーマを探す必要があります。
「僕、そんなときのために、誰でも笑えるネタを仕込んであるんだ!」
いつかは、こんなことを自信満々で言えるようになるといいですね。
相手がどんなことをしたら喜ぶのか、楽しんでくれるのかということに思いを馳せられる人は、当然のことですが好かれます。
人の感情の複雑さについて考えよう
【質問2】幼稚園生くらいの女の子が夜の公園で、1人ぼっちでシクシク泣いています。この女の子はなぜ泣いていると思う?
これは、小さな女の子の「涙の理由」を考えさせる質問です。と同時に、じつはこの質問、私が運営する心理セラピスト養成スクールの講座で使っている課題でもあります。
お子さんの年齢によって、答えはかなり違ってくるだろうと思われます。小さなお子さんだと、「夜だから泣いているんじゃない? 暗いし、怖いから」と答えるでしょうし、大きなお子さんは、「親に捨てられて、帰る家がないんだよ。親が迎えにきてくれるのを待っているんじゃないかな」などと、泣いている女の子の気持ちや状況を想像できるかもしれません。
もちろん、この質問にも正解はありません。女の子が泣いている理由を、できるだけたくさん出してもらうことが目的です。
小さなお子さんには、「そうかもね。でも、なぜおうちに帰らないのかな?」「なぜこんなに小さいのに1人なのかな?」と、さらに質問を重ねて、いろいろ考えさせましょう。
大きなお子さんには、「すごい推理力だね。どうして親は捨てたんだろうね? 捨てられたのに、なぜこの子は親を待っているんだろう?」と話を掘り下げてみてください。
悲しみ、不安、怒り……。この質問を通して、人の感情の複雑さを少しずつ理解させていきましょう。
どんな人を親友にしたい?
【質問3】あなたが男の子(女の子)になったら、どんな親友が欲しい?
お子さんにとっては、ちょっと複雑な質問です。まず男子(女子)だったら、どんな子だろうかと考えるかと思います。
「ねえ、自分が男子(女子)になったら、何が好きになると思う? モテると思う?」などと、具体的にイメージさせてあげましょう。その後、理想の親友を思い浮かべるときには、おそらくクラスメイトや塾、部活などで知っている異性や好きなタレントさんなどを思い浮かべそうです。
理想の親友を答えたら、「へえ。その親友とどんな話をするのかな?」「なぜその人を選んだの?」「じゃあ、親友にしたい人の条件って、どんなの?」などと質問してみましょう。
あるいは、「お父さんが女性だったら、石原さとみちゃんみたいな親友が欲しいなあ」「お母さんが男性だったら、吉沢亮くんみたいな親友がいいわあ」などと言ってみるのも面白いですね。
その際、お子さんがちゃんと「そんな人が親友になってくれる人って、どんな人かな?」とツッコミを入れてくれれば、話はさらに盛り上がることでしょう。
異性の立場を想像させたうえで、「素晴らしい親友をつくれる人は、どんな人だろうか?」と考えさせてみましょう。
自信がない・考えるのが苦手・傷つきやすい 「心が強い子」に育つ100の質問(大和出版)
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