子どもを叱りすぎると問題行動が増える? 子育てに「ほめる」が大切な本当の理由

伊藤徳馬
2023.09.15 15:05 2023.10.04 11:50

泣いている子ども

「何度叱っても直そうとしない!」「子どもの問題行動が目につく!」子育てでどうしようもなくイライラした時、どうしたら良いのでしょうか?

本稿は、伊藤徳馬さんによる子育て講座「ちはっさく」を再現するものです。ちはっさくとは、「代わりの行動を教える」「気持ちに理解を示す」「待つ」「聞く・考えさせる」といった、基本的な子どもへの対応方法を楽しく練習して身につける講座です。子どもに思わず怒鳴りそうになっても、冷静に対処するために「青カード(=肯定的なコミュニケーションの取り方)」の言葉を練習しましょう。

伊藤徳馬
民間企業を経て、2004年に茅ヶ崎市役所に入庁。2007年から子育て相談・児童虐待対応担当になり、2010年に子どもへの対応方法を練習する講座を事業化。その頃から「市町村の児童虐待対応」や「簡易なペアレンティングの講座展開」などのお題で講座・研修講師をするようになる。 現在は、福祉の総合相談や計画を担当する部署に所属。プライベートで、子育てを練習する講座「ちはっさく」を一般向けに実施している。 現在、神奈川県、埼玉県、千葉県、鳥取県の十数か所の自治体・民間団体が「ちはっさく」を事業化しており、今後も増加する予定。 

「~できたね」

抱っこされる子ども

子どもが望ましい行動をしたら、「~できたね」とか「がんばって~したね」と、できた行動を言葉にしてほめます。

この記事の中で「ほめる」というのは、「今の行動はよかったよ」とフィードバックするものとしておきます。ちょっとの効果ですが、子どもはほめられればその行動が増えたり、定着する可能性が少し高められます。まあ、大人も同じですよね。

一般的には、子育て支援者が「ほめましょう」と言うと、超前向き思想で「みんな子どもをホメホメして、親も子どもも幸せ、最高の子育てライフを送ろうぜ!」と言っているように見られがちですが(思い込み強い?)、ここではそういうことが言いたいわけではないんです。

よい行動はほめて「今の行動はよかったよ」と伝えて、子どもの望ましい行動がちょっとでも増えていったほうが結果的に親御さんはラクになれますよ、効率的ですよ、ってことをお話ししたいんです。

※ほめ方には諸説あって、「結果をほめるor過程をほめるor行動しようとした気持ちをほめる」とか、「子どもにとってメリットがあることを伝えるor ママが感謝していることを伝える」など、いろいろな選択肢があります。

だから、講座の受講者さんたちからも「結局、どのほめ方がいいんですか?」とよく聞かれるのですが、「ちはっさく」ではそういった高度なところは触れないので、「『今の行動はよかったよ』と肯定的なフィードバックが子どもに伝わりさえすれば、あとはみなさんがやりやすいほめ方を選べばいいと思いますよ」とお答えしています。

まずは、次の練習問題を使って「ほめる」の解説をしていきます。