現役東大生の家庭が実践していた「賢い子を育てる」1つの習慣

東大カルぺ・ディエム、西岡壱誠

好奇心旺盛な子どもは、勉強にも意欲的に取り組む傾向があります。子どもの知的好奇心を育むために、家庭では何ができるでしょうか? 本稿では、東大生75人のアンケートからわかった「子どもの好奇心・向学心」を育てるポイントを紹介します。

※本稿は東大カルぺ・ディエム(著)、西岡 壱誠 (監修)『自分から勉強する子の家庭の習慣』(すばる舎)から一部抜粋・編集したものです

東大カルぺ・ディエム
2020年6月、西岡壱誠を代表として株式会社カルペ・ディエムを設立。西岡を中心に、家庭の事情で週3日バイトしながら合格した人や地方公立高校で東大模試1位になった人など、多くの「逆転合格」を果たした現役東大生が集い、日々教育業界の革新のために活動中。毎年300人以上の東大生を調査し、多くの画期的な勉強法を生み出している。

どうしたら好奇心や向学心を育めるの?

「勉強などで結果を出すためには、子どもの好奇心が重要」という言説を聞いたことはないでしょうか? 好奇心さえあれば、自分で勉強するというのです。

でも、大変難しいことでもあります。好奇心があるかないかなんて、個人の資質によるように思えるからです。どうすれば、育まれるのでしょうか?

【悩み】文化施設に連れて行っても、反応が薄い

【解決策】「5種類以上」の文化施設に連れて行く

・子どもが興味のある場所、ない場所、どちらにも連れて行く
子どもの好奇心を育むためにも、いろいろな文化施設に連れて行ってみましょう。

例えば博物館や美術館、科学技術館、動物園などが当てはまります。できれば、5種類以上、バリエーション豊かに連れて行くとよいでしょう。

実際に、「さまざまな文化施設に連れて行ってもらった」という東大生が多くいました。なかには、「それがきっかけとなり、歴史や化学が好きになった!」というような意見も多数ありました。

まだ広い世界を知らない子どもに、さまざまな分野に触れる機会を設けてあげることで、何かに興味を持つきっかけを与えてあげられます。その上、それが勉強のモチベーションにつながる可能性もあるでしょう。

文化施設選びの際には、子どもの興味がありそうな場所、興味がなさそうな場所の両方に連れて行くのがポイントです。

親として「教養のためにいいだろう」と思った場所だけではなく、子どもの興味を搔き立てるような場所に行ってみましょう。ゲームの博覧会にも連れて行くし、理解が難しそうな芸術も見せる、といったように両方経験したほうが、教養としていろんなものを受容できるはずです。


・多ジャンルを見せることで、好奇心を刺激できる
どうしていろいろな施設に連れていく必要があるのでしょうか? それは、知識欲が掻き立てられる「可能性」が高まるからです。

例えば、芸術には全く興味がない子だとしても、科学技術、あるいは魚や動物の生態について知りたいと思っているかもしれません。往々にして、興味の方向性は傍から見てもわかりません。

対象を絞りすぎず、できるだけ貪欲に、「いろいろな物や場所」を見せてあげたほうが、好奇心を刺激しやすいのです。

たとえ、子ども自身が興味を持てるポイントが見つからなくても、「全部が面白くなかった」というわけではなく「ある一定のポイントは面白かった」と感じる可能性はあります。

例えば、魚の生態には興味がなかったとしても、「深海の生き物たちの展示コーナーは面白かった」という感想をもつかもしれません。

無駄な知識や経験なんてありません。できるだけ制約をつくらず、多方面に向けて知識欲を伸ばすようフォローしてあげてほしいです。

まずは親御さんが面白いと思える施設から回ってみるのもいいでしょう。親が楽しそうにしている姿を見て、子どもの好奇心が刺激される可能性は多いにあります!

【まとめ】
・子どもの興味がありそうな場所、興味がなさそうな場所の両方に連れて行く
・興味や知識欲を持つことが「勉強のモチベーション」にもつながる

【東大生の声】
・家族総出でいろいろな所に連れて行ってくれた。小さい頃から様々な体験をさせ、いろいろなものを見せてくれたことに、とても感謝している。
・美術館や博物館より、私が好きだった劇場に連れて行ってくれたのが嬉しかった。小さい頃からアートに触れさせてくれる環境でよかったと思う。
・科学館によく連れて行ってもらった。当時は内容は理解できていなかったし、楽しそうな雰囲気とアニメーションや仕掛けを楽しんでいた。家と学校だけの世界を広げてもらってありがたかった。
・大阪の科学館によく行ったことを覚えている。プラネタリウムの上映も楽しかった思い出がある。