現役東大生の家庭に学ぶ「習い事の効果を最大化する」親の声かけ

東大カルぺ・ディエム、西岡壱誠
2023.10.25 15:28 2023.11.16 11:50

鍵盤を弾く子ども

習い事は賢い頭脳を育てるためにも効果的です。しかし、いくら習い事を掛け持ちしても嫌々だったり、楽しめていないと継続できず無駄に終わってしまいます。そこで、本稿では現役東大生75人へのアンケートでわかった「習い事の効果を引き出す声かけ」について東大カルぺ・ディエムが紹介します。

※本稿は東大カルぺ・ディエム(著)、西岡 壱誠 (監修)『自分から勉強する子の家庭の習慣』(すばる舎)から一部抜粋・編集したものです

東大カルぺ・ディエム
2020年6月、西岡壱誠を代表として株式会社カルペ・ディエムを設立。西岡を中心に、家庭の事情で週3日バイトしながら合格した人や地方公立高校で東大模試1位になった人など、多くの「逆転合格」を果たした現役東大生が集い、日々教育業界の革新のために活動中。毎年300人以上の東大生を調査し、多くの画期的な勉強法を生み出している。

東大生は、どんな習い事をしていた?

サッカーをする子ども

みなさんのご家庭では、お子さんはどんな習い事をしていますか? 例えば勉強系ですと英会話は人気ですし、運動系では水泳、サッカーもいいでしょう。文化系ではピアノなどの音楽やバレエも人気なようです。でも、全てを習わせることはできないですよね。東大生はどんな習い事をしていたのでしょうか?

【悩み】習い事はいくつぐらいするといい?

【解決策】いろいろな経験をするために、2つ以上、やってみる

・勉強系以外の習い事をしている人が多い
東大生が経験した習い事の数は2つや3つといった回答が多く、ともに30%前後でした。また、4つ以上という回答も15%程度いました。習い事をしている人が多い印象ですね。

面白いのは、勉強系以外の習い事もかなり多いということです。学習塾やそろばん・英会話なども多かったのですが、スポーツなども多かったです。「とりあえず最初はいくつか経験させる」という家庭もありました。

総合すると、まずいろんな経験をさせてみてから、1年後に続けるかどうかを聞く、というルールを設けている人が多い傾向がありました。

水泳をする子どもたち
・脳科学的にも効果的
いろいろな習い事を経験することは、様々な効果があります。

例えば運動やピアノといった、直接勉強に関係ないものであっても効果的です。脳科学的に言うと、「勉強で使わない脳」を使うことで、学習効果が上がる、と考えられています。なので、まずはいろんな習い事を経験させてみましょう。

最初は、親主導のスタートでいいと思います。東大生も、 63.9%は親から言われてスタートしたと話しています。選択肢を与えられた上での選択であっても、最初は親御さんの「やってみたら?」から始まっていたようです。

その後、1年以上続けたら、子どもに選択権を持ってもらうといいでしょう。

「自分が続けたいから続ける」「自分が辞めたいなら辞める」と意識することで、やる気のないものをだらだら続けることを避けられます。

大事なのは、本人の意志や感情です。とにかくいろいろ経験させましょう。その上で、1年程度はやらせつつ、2年目以降はきちんと自分で選択させる。こうしたルールを持つと、お子さんの自立心が育っていきます。

【まとめ】
・最初のうちは、いろいろな習い事を経験させてみる
・1年以上続けた後、「続けるか」「辞めるか」の選択権を持つのは子ども

【東大生の声】
【ピアノ】
・音感が身に付き、いまのサークル活動や趣味に繋がっている。
・音楽への苦手意識がなくなった。
・コツコツ練習する習慣がついた。
【バレエ】
・スポーツ系の習い事はしていなかったため、あまり運動は得意ではないが、バレエのおかげで基礎体力と体の柔らかさを身につけることができた。
・苦しい中でも笑顔を保つことを覚えることができた。
・人前でパフォーマンスをすることが楽しいと思えるようになった。
【そろばん】
・集中力がつき、競う楽しさを知ることができた。
・計算の練習になった以外にも、数字に対しての苦手意識がなくなったのは非常に有益だった。
【英会話】
・学校の勉強に役立ったうえ、自分が得意・好きなこと(音読・朗読)を見つけることができた。
【新体操】
・バク転やバク宙ができるようになり、特技として使える場面が多いから。
【スポーツ】
・父親がペタンクというスポーツをやっていて、それに参加していたことで、知らない人と喋ることに慣れた。
・年下の子の面倒を見たり何かを教えたりする経験ができた。

最初の1ヶ月間、コレをすると効果的!

勉強をする男女

習い事をどのぐらい真剣に取り組んでいるのかを探るのは、難しいですよね。「一生懸命にやった?」「宿題はないの?」「どんなことをやったの?」なんて根掘り葉掘り聞くと、「うるさいよ!」と言われてしまうかもしれません。

だからといって、何も聞かない、というのも放置しすぎですよね。介入するときは、どのような点に気をつければいいのでしょうか?

西岡壱誠

西岡壱誠

偏差値35から東京大学を目指すも、現役・1浪と、2年連続で不合格。 崖っぷちの状況で開発した「暗記術」「読書術」「作文術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大(文科二類)合格を果たす。2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国20校以上の中学校と高校で学生たちに思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「ドラゴン桜チャンネル」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。 著書はシリーズ累計40万部突破の『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』(東洋経済新報社)ほか多数。TBS系日曜劇場『ドラゴン桜』脚本監修。

X:@nishiokaissey