床に絵を描く、ティッシュを引き出す…子どものイタズラに隠された真意とは?
その行動を通して能力を伸ばしている
<『マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』P.27より>
子どもが困った行動をする裏側には、実は、「自分の能力を使いたい!」「自分の能力をもっと伸ばしたいんだ!」という子どもの切なる思いがあります。
たとえば、ティッシュペーパーを箱から何枚も引き出してしまう子どもがいますね。子どもは突起しているものを見ると、つまんで引っ張り出したくなるんです。それは「これは何?」という好奇心があふれている証拠。
親から見れば困った行動かもしれませんが、子どもは、「ティッシュを引き出す」という行為を通じて、本能的に「引っ張り出すという能力」を伸ばしたいと思っているだけ。目で対象物をしっかりとらえ、手を伸ばして引っ張るという、目と手の協調運動であり、とても高度な動きなのです。
また、おもちゃをたくさん出して、部屋中を散らかして遊んでいるのも、おもちゃをつかんで思い通りに動かしたい、頭の中でいろいろなことを想像して空想の世界に浸りたい……と思っているのかもしれません。
範囲を子どもと決めて好きに遊ばせる
<『マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』P.28より>
思う存分、自由に遊ばせてあげることが大切……とわかっていても、毎回では、片づけ役のママは疲れてしまいますよね。まずおもちゃを出してもいい範囲を子どもと決めて、その中で好きに遊ばせてあげましょう。
「このマットの上なら、いくらでもおもちゃを出していいよ」「好きに遊んでもいいよ。だけど、片づけはしようね」などと、範囲を決め、約束しておくのです。
もちろん、最初から完璧にできる子どもはいません。ですが、「ママと約束したこと」「行動を許してくれたこと」はきちんと覚えていますから、次第に信頼関係ができていくのです。
「そんなことしちゃダメ!」などと、行動のすべてを禁止されてしまった子どもは、常に不完全燃焼なままになり、大きくなってからも親との関係性が悪く、精神的に不安定な子どもになってしまうかもしれません。
【こんなときどうすればいい?】
以前は約束した時間の中で遊んでいたのですが、最近では「やだ! 決めない、いっぱいやる!」と言われ、時間がどんどん過ぎていく、ということがあって疲れます……。
(ちーちゃん、2歳10カ月の子のママ)
【Answer】
子どもは日々成長しています。本人が「いっぱいやりたい」と言うなら、それは「意欲の表れ」です。以前は短い時間でも満足できたことが、もっと追求したい、研究したいという高度な脳に発達してきた証拠です。
満足して自分で終わりが決められるように、今までよりは時間を長くとってあげましょう。親子で話し合って、時間を一緒に決めるとよいですね。
関連書籍
マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方
ハーバード大学の心理学者ガードナー氏が唱える「多重知能理論」を著者が日本人向けにアレンジした「9つの知能」を使って、運動、学力、クリエイティビティ、コミュニケーション能力など子どもが持つさまざまな能力を見つけていきます。さらに、「9つの知能」を伸ばすオリジナルのアクティビティも多数紹介。どんな家庭でも、笑顔で、かんたんに子どもの才能を伸ばすことができます。