乳幼児連れでテーマパークは無謀? 外出のストレスを軽減するコツ
小さな子連れでの外出はかなりハードルが高いもの。スムーズに出かけられて何のトラブルもなく帰って来られることなど滅多にありません。
そんなお出かけの場面で、親も子も少しでもストレスを減らすための工夫を、子育てアドバイザーの高祖常子さんが紹介します。
※本稿は高祖 常子著『こんなときどうしたらいいの? 感情的にならない子育て』(かんき出版)から一部抜粋・編集したものです。
自分が行きたくない場所だと嫌がる
休日のお出かけのときに、自分が行きたい場所でないと、上の子はすごく嫌がることがあります。(4歳女の子、2歳女の子)
子どもの気持ち
パパやママは、私のためを思って、お出かけの予定を立ててくれたかもしれない。でも「私は今日、おうちでおままごとをして遊びたかったのに」という気持ちかもしれません。
子ども向けの場所であっても、「私が行きたい場所じゃないんだもの」という気持ちだったり、どんな場所なのかよくわからないところなら、面白くないかもと、子どものテンションが低いことも考えられます。
行きたくないという子どもの気持ちを尊重
行き先は、親としては子どもを喜ばせたい、楽しませたいと思って、決めているのだと思います。でも、テーマパークなどに子どもを連れて行って、子どもがぐずり出し「誰のために連れてきてやってると思ってるんだ!」なんて、親が子どもをどなりつけている光景を見ることもあります。
子どもの意思を尊重するといっても、当日「行きたくない」と言われて、上の子だけ連れて行かないわけにはいきませんよね。ただ、祖父母が同居していたり、近隣に住んでいたりするなら、上の子の「行きたくない」という気持ちを尊重して、祖父母宅で過ごさせるか、一緒に行くかを相談し選択させてもいいかもしれません。
行き先を子どもと相談する
まずは企画段階から、子どもに「今度の週末はどこに行こうか?」と相談してみてはいかがでしょうか。家族会議のような場を作って、それぞれが行きたい場所を提案してみるのです。それで、折り合いをつけるのも一案です。
または、事前にパンフレットやインターネットサイトを子どもに見せて、「週末はここに行くよ!」と説明しておきましょう。パパとママで決めて、子どもは当日に「今日はここに行くよ」と聞かされることも多いのではないでしょうか。
情報を聞いておくことで、そこに行ったときのイメージがわいたり、事前に親子で語り合うことで、わくわくする気持ちがわいてきたりするでしょう。もちろん、子どもを喜ばせたいというサプライズで企画する場合は、この限りではありません。
子どもを育むためのヒント〜お出かけ〜
・子どもに行き先を伝える
「出かけるよ」ではなく、「今日は○○に行くよ」と子どもに行き先を伝えよう。
・出かける準備を手伝ってもらう
「出かけるから支度しなさい」という命令型でなく、「出かけるから手伝って!」という巻き込み型にしてみるのも一案。
・行った先での楽しいこと
今この時に注目するのでなく、出かけた先に、楽しいことがあればそれを伝えて、気分を変えてみる。
事前にできる工夫のアイディア
たとえば、外出するとき。いろいろなイライラや困る場面があると思います。事前にできる対策を考えてみましょう。これは、叱ることを減らすこと、子どもとのトラブル回避にもつながります。
情報を集めて、イライラの場面を回避す
混雑している電車の中で赤ちゃんに泣かれて困る、周囲の視線が気になるということなら、電車が混んでいる時間を避けるようにしましょう。通勤通学の時間帯を避ける、混んでいる路線は使わず多少、遠回りでも別ルートを利用する、などです。
最近、首都圏などでは、赤ちゃん連れのための、駅構内アプリ(エレベーター、エスカレーターの位置や、おむつ替えができるトイレの有無などがわかる)などを用意しているところもあります。ぜひ、事前にチェックしてみましょう。
子どもの機嫌がいい時間帯を選ぶ
夕方は子どもも疲れるのでぐずったり泣いたりが多くなります。子どもによっては、午前中あまり機嫌がよくない子もいるでしょう。イレギュラーなお出かけの場合は、可能な範囲で比較的機嫌のいい時間帯に移動しましょう。
子どもがぐずりにくいように、準備する
レストランで「料理が出てくるまでの時間が長いと、飽きてぐずり出す」という場合には、待ち時間乗り切るためのアイテム(ノートとペンでお絵かきする、折り紙など、音の出ないもの)を用意していきましょう。ファミリーレストランなどでは、ぬり絵やクレヨンなど用意しているところもありますね。
子連れ歓迎のレストランを探す
レストランで子どもがぐずったときに、周囲の目が気になってイライラするなら、最初から子連れ歓迎のレストランを探すのも一案。最近ではキッズスペースなどを用意しているところもあります。
また屋外のテラスなどのほうが、多少騒いでも気にならないでしょう。
子どもに体験させたいのか、親が行きたいのか?
テーマパークや温泉施設など、家族で行って思い出を作りたいということもありますね。その気持ちももちろん大事です。
ただ、赤ちゃんの体力もまだありませんし、赤ちゃん自身が楽しめることが少ない場所もあるでしょう。赤ちゃんを連れていく場合は、赤ちゃんのペースに合わせることも大事です。テーマパークに行けば、せっかく入園料を払っているからと、早朝から夜まで楽しみたくなると思いますが、赤ちゃんの様子に合わせ、半日とか数時間で切り上げる、休みながら楽しむなどの工夫が必要です。
親自身が「テーマパークが大好きで、ゆっくり楽しみたい」のであれば、赤ちゃんはもうちょっと大きくなってから一緒に楽しむことにして、祖父母などに預けて、夫婦でゆっくり楽しんできたらいいでしょう。
「遊びに行くのに赤ちゃんを預けるなんて迷惑をかけられない」などと思う必要はありません。ママにもパパにも、リラックスしたりゆっくり過ごす時間が必要です。
たくさんリフレッシュしたら、翌日また子どもとの時間を楽しみましょう。
関連書籍
こんなときどうしたらいいの? 感情的にならない子育て(かんき出版 )
メディアに話題になった『イラストでわかる 感情的にならない子育て』(2017年)の第2弾。
著者は、前作同様「どならない、たたかない子育て」を推進し、4万6000人のママとパパにアドバイスしてきた、子育てアドバイザーの高祖常子さん(育児情報誌miku元編集長)。
セーブ・ザ・チルドレンジャパンの2万人アンケートによると、約6割が子どもへのしつけとして体罰(叩くこと)を容認しているという結果が出ているとのこと。
「毎日イライラ」「たたきそうになった」「どなってばっかり」と自己嫌悪するママやパパに贈る、「子育ての困った」をまるっと解決してくれる1冊です。