すごろくはインド発、たこは占いの道具…話のネタになる「お正月遊び」の話

長谷川康男
2023.12.06 14:31 2024.01.03 07:00

羽根つき

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お正月に子どもと挑戦したいのが、日本の伝統的な遊び。すごろくやたこあげの意外な由来を知っていれば、親子の会話もより弾むかもしれません。

本記事では1月の行事や自然、旬の食べもの、遊びから季語、記念日までを絵で紹介する『1月のえほん』より、お正月遊びの基礎知識や雑学をご紹介します。

※本稿は、 長谷川康男監修 『1月のえほん 』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

お正月の遊び

はねつき

羽子板ではねを落とさないように打ち合い、はねを落とした回数が多い人が負けです。もともとは1年の邪気をはらう行事として行われていました。

羽子板

かるた

絵のかいてある札(絵札)を並べ、読み手がことわざなどの書いてある札(読み札)を読み上げて、それにあった絵札を取り合う遊び。いちばん多く絵札を集めた人が勝ちです。

かるた

歌かるた

かるたの一種で、和歌が書かれている読み札を読んで、その歌の下の句が書いてある札を取り合います。「百人一首」とよばれる歌集が一般的につかわれます。

歌かるた

たこあげ

たこは、もともと中国で風向きや風力などを調べるためのものでした。平安時代に日本に入ってきたときには、占いや合戦の道具としてつかわれました。お正月の遊びになったのは江戸時代からです。

凧あげ

すごろく

さいころをふって、出た目の数だけこまを進めて、先にあがり(ゴール)につけば勝ち。インドではじまった遊びとされています。

すごろく

福笑い

目かくしをして、のっぺらぼうの顔の絵に目や鼻、口などを置いていく遊び。絵につかわれるおかめ(おたふく)は、縁起が良いとされています。

福笑い

コマ回し

円すいのかたちをしたコマにひもを巻きつけ、そのひもを一気にひっぱるようにほどいて回します。回っている時間をきそったり、手のひらの上で回すなど、いろいろな遊び方があります。

コマ遊び

いろいろなたこ

日本や世界には、いろいろな種類のたこがあります。

三条六角凧(新潟県)

新潟県では、むかし「いか」とよんでいたそうです。

三条六角凧

天草バラモン凧(熊本県)

風を受けると、ブンブンと音が鳴ります。

天草バラモン凧

とんび凧(東京都など)

もともとは農家の鳥よけだったそうです。

とんび凧

ゲイラカイト(アメリカ)

1970年代に輸入されて、日本でもポピュラーなたこです。

ゲイラカイト

書き初めをしよう

これは遊びではありませんが、正月には欠かせない行事です。1月2日に、「福」や「寿」といったおめでたい文字、漢詩、和歌をはじめ、その年の目標などを筆と墨をつかって書きます。もともとは宮中(天皇が住む場所)の儀式でしたが、江戸時代に庶民にも広がりました。

書初め

制作協力:株式会社ワード

長谷川康男

明治学院大学心理学部教育発達学科准教授。専門は生活科教育、社会科教育、総合教育。早稲田大学教育学部社会科卒業。千葉県習志野市立谷津小学校教諭、筑波大学附属小学校教諭、副校長を経て現職。「生活科」「社会科」「総合」の授業研究に携わり、現在は、子どもの学ぶ意欲や問題意識のもたせ方の研究を進めている。

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1月のえほん(PHP研究所 )
初もうで、書きぞめ、おせち料理、七草がゆ、たこあげ、雪合戦……。1月という季節を知り、感じ、楽しむヒントがいっぱいのえほん。