子どもがゲームをやめないのは「親の誤解」が原因? 悪い習慣を変える接し方

ぞう先生

平日も夜遅くまでYouTubeを見たり、注意してもゲームをやめない…。子どもにそんな悪習慣をやめさせようと苦心している親御さんは多いでしょう。しかし、悪い習慣をやめさせるで、親が子どもにやってはいけないことがあると、現役小学校教諭であり、継続アカデミー塾長としても活躍するぞう先生は語ります。

※本稿は、ぞう先生著 『うちの子、脱・三日坊主宣言!』(‎総合法令出版)から一部抜粋・編集したものです。

悪いのは動画コンテンツでもゲームでもない

「うちの子は、動画コンテンツやゲームを自分でやめられないどうしようもない子だ!」なんて思わないでください。みんなそうなのですから。

そして、この大前提があるからこそ、対策できます。この前提が間違っていると、子どもを毎日叱ることになってしまいます。

「動画ばっかり見るな!」
「時間通りにゲームをやめなさい!」

こんなことが毎日起これば、パパやママのストレスが日々積み重なってしまいます。問題の本質は、動画やゲームをやめることを本人に丸投げしている点にあります。

では、悪いのは、お子さん自身の力でやめられないようにできている動画コンテンツやゲームなのでしょうか? その答えは、「ノー」です。

ある日突然、ママから、「動画やゲームは、自分でやめることが難しいらしいから、もうこれからはやってはいけません!」 こんなふうに言われても、子どもは、「はい、そうですか。やめます」とはならないはずです。

ここで一つ考えてもらいたいのは、動画を見るのもゲームをするのも、別に悪いことではないということです。毎日の生活の一つの楽しみとしてやる分にはまったく問題ありません。むしろ、「やるべきことが終わったら、ゲームするぞ!」というように、自分へのご褒美感覚でやるべきことが進む原動力になる場合もあります。

では、何がいけないのでしょうか?

それは、長時間することです。長時間するから、勉強や運動、読書、家族とのコミュニケーション、睡眠といった、他にするべきことがおろそかになるのです。だから、悪いのは、動画やゲームそのものではないのです。

先に書いたデメリットは、長時間すればするほど大きくなります。僕の家では、平日ゲームは1時間まで、休日は2時間までと決めています(ちなみに最初は休日のみでしたが、後から子どもの要望で、平日は1時間だけやってもいいことにしました)。

そして、「宿題を先に終わらせてからやる」というルールとしています。ぜひ参考にしてください。

親が子どもにやってはいけないこと

悪い継続をやめさせる上で、親が子どもにやってはいけないことがあります。親としては、子どものためを思ってやっていることですが、それが逆効果となる場合があります。それはこの三点です。

①無条件にやらせない(禁止する)
②頭ごなしに叱る
③ルールが決まっていない

この三点は、絶対にやらないほうがいいです。詳しく見ていきましょう。

①無条件にやらせない(禁止する)

文字通り、親が子どもに与えないということです。

ここでの「無条件にやらせない」とは、例えば、子どもが「ゲームが欲しい」と言ってきたときに、即答で「ダメ!」と言うパターンです。

この場合、せめてゲームを買わない理由だけでも言うべきです。何を言ってもノーだと子どもからすると、「なんで? どうして?」となるからです。

また、どうして欲しいのかを聞いてみてください。すると子どもなりに欲しい理由を話してくれます。よくあるのが、「学校でゲームの話をよくするけど、持っていないから会話に入れない」などです。これが買う理由になるかは置いておいて、気持ちはとてもよくわかりますよね。

もしも子どもが欲しいと言ってこないのであれば、全然いいと思います。子どもが欲していないのに、わざわざやめることが難しいものを与える必要はありません。

しかし「ゲーム=絶対に買わない」と、あまりに一方的に禁止すると、子どもの反感を買ってしまうことがあります。

親がゲームを与えなくても子どもは、いつか必ずゲームをするようになります。それならば、親の目が行き届く時期にゲームを与えるのもありだとは思いませんか?

②頭ごなしに叱る

次にダメなやり方は、頭ごなしに叱ることです。例えば、ゲームの時間を守ることができなかった場合、「早くやめなさい!」このように大きな声で叱責してはいけません。これも子どもの反発のもとです。

たしかに子どもが時間を守っていないので、叱るのは当然のことなのですが、頭ごなしに叱り続けると、逆効果になることがあります。

また、やめるにはやめたけれど、その後、お子さんの機嫌が悪くなることはありませんか? 親からしたら、「なんで機嫌悪くなってるねん! 怒ってんのはこっちじゃ!」と言いたくなりますよね。時間さえ守っていたら、こっちだってきつく言わへんわ、と。

しかし、思い返してみてください。ゲームは、前提として制限時間を決めても途中でやめるのが非常に難しいものです。この前提の有無で変わります。次の大間違いの大前提は、少し時間を過ぎただけで腹が立ってきます。

●ゲームは意志の力が強いとやめられる
●ゲームをやめられないのは、意志の力がないからだ

なんの対策もなしに意志の力だけでやめさせるには、無理があります

③ルールが決まっていない

ルールがないとどうなるでしょうか? 「時間無制限」となります。これでは、やめることは絶対にできません。むしろ長時間やり続けることを助長することになります。

また、ルールがなければ、基準がわかりません。どれくらいが長いのか? 子どもは3時間が長いと思っているけど、親は1時間でも長いと思っている場合も多いのです。ココが明確になっていないと、話がかみ合いません。

『もうそろそろやめなさい』
「えっ、まだそんなにやってないで」
『もう結構やってるでしょ』
「いやいや、そんなにやってないって」

不毛な会話ですよね。家でのルールが決まっていないから、本質のずれたけんかが起きてしまいます。「長い」という基準は、一人ひとり異なります。ルールを子どもと話し合うことで、何がいけなくて、どこまでがいいかがハッキリとします。

頭ごなしに叱るのはいけませんが、ルールを破ったときは、きちんと子どもに知らせる必要があります。その基準がないと先ほどの会話の例のように毎日、無駄に争うことになるので、ルールは事前にしっかりと明確に決めましょう。

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