ゲームやめない、勉強しない子をガラッと切り替える「親の接し方のコツ」

石田勝紀
2024.04.22 11:25 2024.04.04 11:50

タブレットに熱中する子ども

学校から帰宅直後、ゲームばかりしてなかなか勉強をしない…そんな我が子にもどかしさを感じる方も多いのではないでしょうか。勉強に対して腰が重い子には、適切な「モード切り替え」が必要不可欠。勉強と遊びの中間の「グレーゾーン」を利用した勉強意欲の引き出し方を、教育評論家の石田勝紀さんに解説していただきました。

※本稿は、石田勝紀著『中学受験に合格する親子の「魔法の会話」』(PHP研究所)から一部抜粋・編集したものです。

帰宅後、すぐに勉強する子はいない

勉強に悩む女の子

勉強が気乗りしないとき、それは遊びモードから勉強モードに変えるときに発生します。

これは大人では、仕事オフのモードとオンのモード、プライベートモードとビジネスモードといってもいいでしょう。

子どもは学校から家に戻ってきて、すぐ勉強するということは通常あり得ません。

勉強が大好きな子は別ですが。大人も出社していきなりバリバリ仕事をするということは稀まれではないでしょうか。そこで、重要になってくるのは、モードの切り替えをするための「グレーゾーン(曖昧な時間)」をつくるといい、ということを教えてあげるのです。次の会話をご覧ください。これは私が指導してきた子どもたちによく話をしていた会話です。

先生が伝授! やる気を出すコツ

ゲームやめない、勉強しない子をガラッと切り替える「親の接し方のコツ」の画像1

私:「君は家であまり勉強していないようだね」

子ども:「……はい」

私:「やる気が起こらないんでしょ」

子ども:「学校から帰ってきて、すぐには勉強する気になりません」

私:「そりゃそうだよね。いきなりやるなんてあり得ないよね。でも、ゲームだったらどうする? すぐやるんじゃないの?」

子ども:「そうかも」

私:「ゲームは面白くて、勉強は面白くないから、当然面白いほうを選ぶよね。でも、できれば勉強をしたほうがいいと思っているんだよね」

子ども:「はい」

私:「重要なことは、『勉強する雰囲気』にもっていく準備作業ができるかどうかということなんだよ。もし勉強するようになりたければ、教えるけども、知りたい?」

子ども:「はい。教えてください」

私:「人によって型がいろいろあるんだけど、家で勉強する前に、まず『勉強のような遊びのような作業』をやるんだ。先生も子どもの頃、家でなかなか勉強する気になれなくて困っていてね。そこで考えたんだ。

どうすれば自分をやる気にさせられるか。

それが『漢字の練習』だった。漢字は勉強の一種だけど、字の練習のようなものでもあるよね。

毎日、家で勉強するときに、いきなり算数や英語などをやると、やる気が出ないから、いつまでもやらない状態が続いてしまうけども、簡単にできる『漢字の練習』を最初に十分ぐらいやると、自分の気分が『OFFのモードからON(勉強)のモード』へと変わるんだよ。面白いもんだね。そのあとは、算数でも理科でもなんでもやったらいいよ」

これは私が偶然、中学生のときに発見したことでしたが、その後、集中できないタイプの人が集中できるようになった場面を見ていると、作業の前にある「型」を持っていることがわかりました。

つまり、気持ち(心)を切り替える「型」を持っており、それを行うことで上手に自分の気持ちをコントロールしているのです。

そこで家庭ではどのような会話をしたらよいか次に書きましたので、参考にされてみてください。

親は「やってみたら」と促すのがコツ

勉強する親子

親:「学校から帰ってきて、勉強とかやる気って起こる?」(子どもの気持ちを言葉にして表現する)

子ども:「起きない」

親:「だよね。普通、いきなり勉強はやれないしね。でもやる気になるような方法があるみたいよ」(聞きたくなるような表現で終える)

子ども:「へ〜、どんな?」

親:「それね、勉強のような勉強じゃないようなことからやるらしいのよ」(初めからたくさんしゃべらずに、さらに聞きたくなるように簡潔に伝える)

子ども:「どんなことやるの?」

親:「学校から帰ってきて、いきなり塾の勉強とか宿題とかやるのは大変でしょ。あまりやる気が起こらないよね。そこで、例えば、漢字の問題集を十分だけやるようにしたりするのよ。もちろん漢字が嫌いな場合は別のことでもいいんだけど。漢字って勉強の一種かもしれないけど、国語の問題をやるとか、理・社の暗記をするとか、算数の問題をやるよりも、漢字って軽い気持ちで入っていけるみたいね。で、その漢字を十分ぐらいやっていると、気持ちが勉強モードに切り替わっていくんですって」(漢字が嫌いという可能性もあるので、他にも方法があるという感じで話す)

子ども:「ほんとかな。僕は漢字は嫌いだ」

親:「漢字が嫌いなら、そこから入らずに、別のことから入ってもいいみたいよ。ようするに、やってみてもいいという作業から入ることがいいんだって」

子ども:「僕は算数の計算ならやってもいいと思う」

親:「じゃ、計算ドリルを10分することから1日の勉強をスタートさせてみたら〜」(「やりなさい」ではなく、「やってみたら」という促しにする。やるやらないの選択は子どもに任せる)

いかがでしょうか。このような会話で上手に子どもが「やってもいいかも」と感じるように話をしてあげるといいでしょう。勉強が嫌いでゲームがいいという子がいますが、「勉強の中で比較的やってもいいことから始める」というのがコツです。

石田勝紀

教育評論家。20歳で起業し、学習塾を創業。その後、中高一貫私立学校の常務理事に就任し、大規模な経営改革を実行するとともに教師の指導力を高める。講演会や企業での研修会は毎年150回以上にのぼる。教育デザインラボ代表理事、都留文科大学特任教授。

公式サイト:https://www.ishida.online
公式ブログ:http://s.ameblo.jp/edu-design

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