妊婦ジャケットに中学生の反応は!? 「赤ちゃんに優しくなれる」ピジョンの出前授業に参加してみた

nobico編集部
2024.08.01 10:13 2024.08.08 11:50

pigeon赤ちゃんを知る授業

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哺乳瓶やボディーソープなどのベビー用品でおなじみのピジョン株式会社。子育てをするママ・パパなら、誰もが一度はお世話になったことがあるのではないでしょうか。

そんなピジョンは今、全国の中学校で「赤ちゃんを知る授業」を実施しています。

「世界を赤ちゃんにもっと優しい場所にしたい」というピジョンの思いから始まったこの出前授業。

2024年7月に東海大学付属高輪台高等学校・中等部で行われた授業に、nobico編集部もおうかがいしてきました。

はじめはみんな赤ちゃんだった

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教室にずらりと並んだ中学2年生のみなさん。先生はピジョン社員の笠井厚子さんが務めます。

授業は、生徒のみなさんが自身の赤ちゃん時代を振り返るところから始まりました。「海に入りたがって母を心配させた」「沖縄に住んでいて、親がゴーヤを食べさせようと奮闘した」など、個性豊かなエピソードに教室の雰囲気が和らぎます。

抱っこで感じる赤ちゃんの重さ

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次に、赤ちゃんがお母さんのおなかでどうやって大きくなるかを、実物大・実際の重さを再現した赤ちゃん人形をつかって解説。妊娠6ヵ月で手のひらサイズ、10か月を迎える出産時には約2500〜3000グラムになることを説明する笠井さん。

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赤ちゃんの中には、通常より小さく早く生まれる子も。人形を使って大きさを比べます。

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赤ちゃん人形を抱っこして、その大きさを感じてみます。生徒からは、「小さいのにしっかりした重みがある」との感想が。首をしっかり支える姿は、意外にも様になっていました。

スマホを舐めた! 意外な行動にどよめき

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赤ちゃんの特徴については、動画で紹介されました。母乳を飲む、寝る、泣くなどさまざまな赤ちゃんの姿が映し出される中、大きなどよめきが起こったのが、スマホを舐める赤ちゃんの姿。あるある行動ですが、中学生にとっては衝撃的だったようです。

赤ちゃんの特徴について、笠井さんがさらに詳しく解説します。「生まれたての赤ちゃんの胃の大きさはどれくらいでしょう?」という質問に、一人の生徒から「1センチくらい?」という答えが。正解はサクランボくらいの大きさだそうで、「いい線いってますね」と笠井さん。この小さな胃袋のため、赤ちゃんは1日に何回も母乳やミルクを飲むと説明します。

赤ちゃんの泣き声が人の耳に最も聞こえやすい440ヘルツであることや、好奇心旺盛な赤ちゃんが何でも口に入れる理由なども紹介されました。「アンパンマン」が赤ちゃんの発音しやすい言葉だという説明に、皆興味深そうに聞き入ります。

赤ちゃんの特徴や行動について、新鮮な驚きを感じているのが伝わってきました。

妊婦体験・ベビーカー体験も

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座学の後は、実際にママ・パパの気持ちを体験する時間です。

まずは、妊婦ジャケットを着ての、妊婦体験。妊娠8~9カ月の重さを体験してもらいます。

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大きな体を抱えながら、靴ひもを結んだり、狭い道を歩いたりと身体を動かし、その不自由さを実感。「普段できている日常生活が難しくなる」「大変さを実感した」との感想が聞かれました。

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次はベビーカー体験。障害物が置かれた教室を、ベビーカーを押しながら一周します。「大事な赤ちゃんを乗せているのでゆっくり走ってください」との笠井さんの声掛けに、皆緊張の面持ちです。

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無事ゴールについた生徒のみなさんは、「小回りが利かない感じ」「でこぼこした道だときつそう」「狭い所にぶつけないようにするのが大変」と、移動の難しさを感じた様子でした。

妊婦さんや小さい子連れの人にできること

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授業の最後には、妊婦さんや小さい子連れの人が困っているときにどんな支援ができるか、グループディスカッションが行われました。

pigeon赤ちゃんを知る授業

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とにかく沢山のアイディアを並べる班、じっくり考える班と様々ですが、どのグループからも真剣さがうかがえます。

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こちらのグループは、「コンビニの下の棚にある商品を代わりに取ってあげたい」というアイデアを発表。妊婦体験で、実際に不自由さを目の当たりにしたからこそのアイデアです。

赤ちゃんは未来を創る大切な存在である、と語る笠井さん。「赤ちゃんや妊婦さんを他人だからと切り捨てず、自分にできることはないかとあたたかい目線でかかわってほしい」と締めくくりました。

授業を終えた生徒の反応は?

授業を終えた生徒のみなさんからは、「赤ちゃんは守るべき存在だと実感した」「妊婦さんや子連れの人を積極的に支えたい」と、前向きな感想が多く聞かれました。「赤ちゃんが何でも口に入れる事を知らなかったので衝撃」「親戚の赤ちゃんと触れ合う時は、おもちゃをちゃんと除菌をしなくては」という声も。

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今回授業を依頼した東海大学付属高輪台高等学校・中等部の野口大輔先生は、「普段は少し斜に構えているような生徒達も、食い入るように赤ちゃんの映像を見ていた」と感慨深げです。「妊婦さんや赤ちゃんへのサポートは、頭で思うだけではなく、ぜひ実際に行動を起こしてほしい」と期待を口にしていました。

中学生にとって新しい発見の連続だった今回の授業。きっと貴重な体験になったはずです。

優しい社会づくりを目指すピジョンの想い

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この「赤ちゃんを知る授業」について、ピジョン株式会社経営戦略本部 ブランドデザイン部の半澤ふみ江さんにお話を伺いました。

Q: このプロジェクトが始まったきっかけを教えて下さい。
A: ピジョンは育児をサポートする商品やサービスを提供していますが、両親の育児負担や不安、子育てのしづらさに目を向ける中で、さらに何か出来ることがあるのではないかと考え、「赤ちゃんに優しい社会を作る」という思いのもと、この取組みを開始しました。

Q: 反響はいかがですか?
A: 生徒さんたちの反応はとても良いです。感受性の高い年頃ということもあり、「お母さんはこんなに大変だったんだ」とか「両親に感謝したい」といった声も聞かれます。また、社員にとっても会社の存在意義を実感できる良い活動となっています。社会に対してもこの活動をさらに発信していきたいと考えています。

Q: なぜ中学生をターゲットにしたのでしょうか?
A: 小・中・高校生それぞれの発達段階に応じて赤ちゃんを知ってもらうことも重要だと考えていますが、特に中学生は大人になり始める時期で、自分の存在を認識し、周囲にも目を向けられる年齢だと捉えています。そのため、この年代に焦点を当てました。

Q: 今後の展望をお聞かせください。
A: 現在は中学生向けに行っていますが、今後は他の年代の青少年にも広げていきたいと考えています。赤ちゃんの特徴を理解する若者が増えることで、より赤ちゃんに優しい社会が広がっていくことを期待しています。

具体的には、東京都の「こどもスマイルムーブメント」に加盟し、「ティーンズ・アイデアコンテスト」に弊社のアイデアが採用されました。今後は東京都と連携して、赤ちゃんに優しい社会づくりに取り組んでいく予定です。

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赤ちゃんを知り、理解を深めることで、より優しい社会づくりにつながる。社会全体が赤ちゃんに優しい目線を向けられるように、nobico編集部としてもこの授業がより広く広まってほしいと感じました。今後のプロジェクトの発展に期待しています!(取材・文:nobico編集部)

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