子どもが算数を好きになる「大人の関わり方」とは? 教育者・川島慶×脳科学者・瀧靖之対談
あそべる算数図鑑は中学受験の素地になる!
『あそべる算数』誌面より ティッシュ箱や牛乳パックを展開すると?
――瀧先生は子どもの頃、算数は好きでしたか?
瀧先生:実は私、高校まであまり算数や数学に興味がなかったんです。アートや自然界の造形美は極限までつきつめるくらい好きだったけれど、算数はテストで困らない程度にやっていたという感じでして。川島先生のように算数への好奇心を持つきっかけが幼少期になかったんですね。ただ、息子の中学受験を機に、算数の面白さに気づいてどっぷりハマりました。そういう視点で見ると、この図鑑は、中学受験の学びにつながることがたくさん書かれているので、幼少期に読んでおくとすごくいいのではと興味深く拝見しておりました。
川島先生:中学受験を意識して作ったわけではなかったのですが、算数から自然と派生する本質的な部分を扱ったので、結果的にはその応用である中学受験にも通じる部分があるのかもしれませんね。ちなみに先生が気になったページはどのあたりですか?
瀧先生:展開図や影のページなんかはまさに中学受験のエッセンスですよね。これを3歳からしっかり見ておいたら大好きになりますよ。あとは三角数とかフィボナッチ数列なんて、まさに中学受験で出てくるので、受験勉強を始める前になんとなく知っていると、まさに「流暢性効果」になりますよね。
川島先生:ありがとうございます。私がこだわったのは、ビジュアルでも見せること。たとえば、単位に関しては表紙の裏に「単位大図鑑」がありますが、ホチキスの芯や1円玉、はがきの実物大写真を使って、視覚で「1cmの10倍が10㎝になる」といった量感を関連付けて、生活の尺度になるようなページを入れました。桁に関しても、子どもは「枚数が多い方がすごい」という感覚があると思うので、そうではなくて「1円玉32枚よりも10円を使うとこんなに便利でしょう」、という10の“桁の威力”に対する納得が得られるような見せ方にはこだわりました。
あとは、数列などの部分でも、あえてすべては書かないこと。その先は自分で学んで感動してもらいたいから、高校から学ぶ概念で敢えて触れていない部分はあります。
瀧先生:図鑑の概念が拡張されました。本当に想像以上でした。これを小さいうちに見て遊んでおいたら、算数好きな子が増えると思うし、私が小さい頃に読んでいたら、今頃は数学の道に進んでいたかもしれません(笑)。
『あそべる算数』その他のページ
『角川の集める図鑑GET! あそべる算数』(監修 川島慶/KADOKAWA刊)
好き嫌いや得意不得意が分かれがちな「算数」。でも、「子どもには算数を好きになってほしい」と願う保護者は多いはず。「いつのまにか親しんで、算数を好きになる」そんなコンセプトの図鑑が登場!
監修は、STEAM通信教育「WonderBox(ワンダーボックス)」や思考力育成アプリ「Think!Think!(シンクシンク)」でおなじみのワンダーファイ株式会社代表・川島慶先生です。
数や形で楽しく遊ぶための、川島先生のアイデアや知見がたっぷり詰まっています。