FPが解説! 資産形成のポイントは「預金・投資信託・保険」の使い分け

橋本絵美
2024.08.29 13:21 2024.08.23 11:50

FPが解説! 資産形成のポイントは「預金・投資信託・保険」の使い分けの画像1

お金を貯める、増やす方法として挙げられるのが、預金、投資信託、貯蓄型生命保険です。資産形成のポイントは、これらを組み合わせて利用していくことなのだそう。

それぞれの特徴、メリット・デメリットについて、FPの橋本絵美さんの著書『子ども6人FPが教える お金が貯まる・使える 紙1枚かんたん家計管理』の解説を抜粋してご紹介します。

※本記事は、橋本絵美著『子ども6人FPが教える お金が貯まる・使える 紙1枚かんたん家計管理』(日本実業出版社)より、一部を抜粋編集したものです。

※本稿は2024年8月時点の情報に基づき、投資や保険等に対する著者の考え方を示したものであり、個別の金融商品を推奨するものではありません。金融商品の価値は状況によって変動しますので、購入の可否を含む投資の判断はご自身の責任で行なうようお願いいたします。

資金が必要なタイミングから逆算して3つの配分を決める

FPが解説! 資産形成のポイントは「預金・投資信託・保険」の使い分けの画像2

預金、投資信託、貯蓄型生命保険の3つには、それぞれ次のようなメリット・デメリットがあります。この特性を理解したうえで、必要なときに必要な額を用意できるように、組み合わせていくのが資産形成のポイントです。

たとえば、近い将来必要になるお金は、元本保証がある預金で運用するのがいいでしょう。逆に老後資金など、使うタイミングがずっと先であれば、少しリスクを取って投資信託や保険を上手に組み合わせることで、資産を増やせる可能性をぐっと高めることができます。

5年以内に使う予定のお金は預金で

FPが解説! 資産形成のポイントは「預金・投資信託・保険」の使い分けの画像3

5年以内に使うお金は、預金で貯めていきましょう。現在の普通預金の金利はほとんど増えませんが、預金は好きなタイミングで引き出せ、流動性が高いのがメリットです。いつ引き出しても元本割れしないので、確実に用意できる安心感があります。

ネット銀行は、大手都市銀や地銀よりも金利が高いことが多く、キャンペーン時を狙って預ければ、預金でも多少は有利に増やせます。毎月定額を引き落としで貯められる自動積立定期預金を使えば、先取りの仕組み化も簡単です。

我が家の貯蓄は、ほぼ教育費用なので、短期的な目標のための先取り貯蓄はしていません。すべて収入の中で支払うようにしています。残ったものが高い利回りで勝手に増えていくよう、楽天銀行をメイン口座として利用しています。

長期で増やすなら投資信託や保険を


会話する夫婦と子ども

3つの貯蓄方法の中で、お金が最も増える可能性が高いのは投資信託です。投資信託はさまざまな種類や商品があり、どれでもいいわけではありませんが、きちんと選んで長期で運用すれば、元本割れのリスクを減らしながら資産を増やせる可能性が高まります。

過去の研究によれば、長期間の運用で資産が増えるのは不動産でも金でも預金でもなく、株式。株式を使った投資信託を取り入れることで、預金よりお金を増やせる可能性をぐっと高められるのです。

ただし、売却してもすぐには現金化できません。また、相場によって一時的にマイナスになるなどデメリットもあります。短期の運用では、使いたいタイミングでたまたま相場が悪く、元本割れしている可能性もあるので、少なくとも5年以上、できれば10年以上先に使うお金として運用しましょう。長期で運用すれば、利益が利益を生んでいくようになり、経済ショックが起きても元本割れするリスクは徐々に減っていきます。

貯蓄型生命保険も、長期の運用なら増やせる商品があるジャンルです。ただし、もしも早期に解約した場合は、解約控除(解約手数料)がかかり元本割れしてしまいます。流動性は3つの中で最も低いので、資産を保険に偏らせすぎるのは必要なときに使えずリスキーです。

橋本絵美

福岡県出身。慶應義塾大学商学部卒。2男4女を育てる大家族ファイナンシャルプランナー。お片づけプランナーとしても活動中。相談を受ける中で得た知恵と自身の経験を生かした家計改善術や共働きパパママ、ワンオペママを中心に生活がラクになる片づけ、家事のアドバイスが好評。

X:@happymamalabo

Instagram:@happymamalabo

子ども6人FPが教える お金が貯まる・使える 紙1枚かんたん家計管理

子ども6人FPが教える お金が貯まる・使える 紙1枚かんたん家計管理』(橋本 絵美 著,日本実業出版社 刊)

家計簿の代わりに年に一度だけお金の使い道や貯蓄予定額などをすべて書き出した「紙1枚やりくり表」を作成し、その通りにお金を使えば自然と黒字になってお金が貯まるという超シンプルな新しい家計管理術を大公開。子ども6人を育てながら、FPとして働く著者が実践している、時間をかけずにラクにできるお金の管理テクニック満載です!