作者の主張はタイトルでわかる! 長文が読めない子のための「東大式読解術」

西岡壱誠
2024.10.08 22:35 2024.10.08 11:50

勉強する女の子

文章を正確に読むためには、作者の伝えたいことを理解することが大切です。
その最大のヒントは、もしかしたら「タイトル」に隠されているかもしれません。

偏差値35&国語赤点から見事東大合格を果たした西岡壱誠さん。そんな西岡さんが考案した読解力UPのための練習問題を、著書より抜粋してご紹介します。

※本稿は、西岡 壱誠著『小学生が5日でできる 東大式 超速!読解ドリル』(実務教育出版)から一部抜粋・編集したものです。

「タイトル」から予想してみよう!

タイトルは内容を把握するための大ヒント!

みなさんは、『ホタルをつかまえて』というタイトルの小説があるとしたら、どんなお話をイメージしますか? ホタルは短命なことで有名な昆虫です。ですから、「生命のはかなさを描いた物語なんじゃないかな」と思ったのではないでしょうか。では逆に、『カブトムシの王様』というタイトルだったらどうでしょう? なんだか愉快に暮らしている昆虫世界のイメージが湧きますね。明るいお話ではないかと予想できます。

タイトルは、これから読む物語の舞台や登場人物、さらにはどんなストーリーが展開されていくのかを予想するための、大切なヒントになることがよくあります。 説明文の場合でも同じです。文章のテーマや著者の主張・結論がそのままタイトルになっていることもあります。

もしみなさんが文章の内容をすばやくしっかり理解できるようになりたいのであれば、タイトルを目にした時点で「どんな話になりそうか」を想像する習慣を身に付けるようにしましょう。 そうすることで、文章を理解するスピードがどんどん速くなります。

もちろん、すべてのタイトルが作品のテーマや内容を表しているわけではありません。お話の最後がわからないように、あえてあいまいなタイトルが付けられている物語もあります。タイトルから想像することは、内容を把握するためのヒントの1つです。それでも、みなさんの読解を助けるものとして大いに役に立つはずです。

では、練習問題を解いてみましょう。

練習問題

次のタイトルから内容を予想して、一番ふさわしいものをア~エから選んでみよう。

Q01 雨の日の彼女

ア 明るい物語
イ どこか暗い雰囲気の物語
ウ 楽しいダンスの物語
エ 努力と友情の物語

Q02 青空の下で

ア 新学期、友だちができるか不安な思いで傘をさしながら学校に向かうお話
イ 秋の読書週間を盛り上げようとする図書委員のお話
ウ 夏休みの自由工作で作ったペットボトルロケットをみんなで飛ばすお話
エ 冬のかるた大会に向けて家族で練習するお話

Q03 大きな壁を超えて

ア とても高く大きな壁に絵を描くお話
イ けがをしたアスリートが再びオリンピックに出場するまでのお話
ウ 勉強も運動もなんでもできる天才少年のお話
エ 100年後の未来で宇宙人と戦うお話

Q04 思い出のパン屋さん

ア お母さんとよく行ったパン屋が舞台のお話
イ 近所に先月できたメロンパン屋さんが舞台のお話
ウ 小さなころ、家族でお花見に行った公園が舞台のお話
エ 昔よく行った駅が舞台のお話

Q05 資源とエネルギー

ア 一人暮らし家庭の収入と支出の関係に関する調査書
イ 家庭から出るゴミの量の増加に関する文章
ウ 日本で使われる電力と、その電力がどのように作られているかの報告書
エ 朝ご飯を食べると集中力が上がることをまとめたレポート

解答と解説

【解答】
Q01 イ
Q02 ウ
Q03 イ
Q04 ア
Q05 ウ

【解説】
Q01
『雨の日の彼女』の「雨の日」という言葉から、雨のどんよりとした雰囲気が伝わります。そのためイがふさわしいはずです。

Q02
青空の下で行われることを想像してみましょう。アの「傘」、イの「読書」は合いません。エの「かるた大会」も屋外で行うことはあまりありませんね。ウが正解です。

Q03
「大きな壁」と「その壁を超えた先」を分けて考えるのがポイントです。アスリートが「けが」という大きな壁を乗り越えるお話と予想できますね。

Q04
一見、イも正解のように見えますが、「先月できた」という言葉がタイトルの「思い出の」と結び付きにくいですね。アが正解です。

Q05
「エネルギー」という言葉は色々な意味で使われる単語ですが、この場合は、日本の電力について書かれているウが答えになります。

西岡壱誠

西岡壱誠

偏差値35から東京大学を目指すも、現役・1浪と、2年連続で不合格。 崖っぷちの状況で開発した「暗記術」「読書術」「作文術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大(文科二類)合格を果たす。2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国20校以上の中学校と高校で学生たちに思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「ドラゴン桜チャンネル」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。 著書はシリーズ累計40万部突破の『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』(東洋経済新報社)ほか多数。TBS系日曜劇場『ドラゴン桜』脚本監修。

X:@nishiokaissey

小学生が5日でできる 東大式 超速!読解ドリル
小学生が5日でできる 東大式 超速!読解ドリル

現代の小学生は、大人も驚くほど大量の文章を速く正確に読みこなす「読解力」が求められています。
読解力はコツをつかめば子どもから大人まで短期間で飛躍的に伸ばすことができます。
本書は、『東大読書』シリーズで知られる西岡壱誠氏の読解力のノウハウを 小学生から大人まで誰でも取り組みやすいドリル形式でまとめた書籍です。

#東大生の読みかたがわかる!
#考える力が身につく!
#読むスピードがアップ!
#本を読むのが好きになる!
#作文が得意になる!