算数の文章題でつまずく原因は? 苦手を克服するための4ステップ

伊庭葉子, 赤塚智美

普通のたし算ひき算はできるのに、文章題になった途端に混乱してしまう…問題を読み解くためのコツはどのようにつかめばよいのでしょうか?

「さくらんぼ教室」の伊庭葉子先生、赤塚智美先生の著書より、抜粋してご紹介します。

※本稿は、伊庭葉子著, 赤塚智美著『さくらんぼ教室メソッド 発達が気になる子の「できる」をふやす 算数』(Gakken)から一部抜粋・編集したものです。

文章題(たし算・ひき算)

親の視点: たし算、ひき算の計算はできるのですが、文章題になると式を立てることができずに、小さい数から大きい数をひこうとしたりします。

子の視点: なんで算数なのに文章を読まなくちゃいけないの? 読むだけでもつかれる。数字だけ見て、たし算やひき算を順番にやっておけばいいのかな。

学びの手立て

「文章題」は、たし算・ひき算の計算力と、言葉や文章を理解する力の、両方の力が必要になります。どちらかが苦手な子は、立式から計算のどこかの過程でミスが出やすくなります。文章題を読み取る→式を立てる→計算をする→助数詞を入れて答えを書く、というプロセスを「見える化」し、いっしょに進めていきましょう。

STEP1:必要な情報を読み取る

国語の短い文章を読み取ることと同様に、立式に必要な情報を読み取ることから始めます。「何がいくつあるか」(わかっている数)、「何を求めたらよいか」(聞かれていること)を読み取りましょう。大事な箇所に蛍光ペンで色をつけるなどして、「どこに注目したらよいか」をわかりやすくします。

●例 (文章題)
「白い犬が【2ひき】、黒い犬が【3びき】います。【ぜんぶで】何びきですか。」

犬を絵にかいて「見える化」し、全体を囲むことで「ぜんぶで」を目で見てとらえられるようにします。

STEP2:「たし算」「ひき算」の判断

文章からわかることを絵や図などに表して、何算をすればよいかをいっしょに考えます。「あわせて・ぜんぶで・のこり」などの言葉で、たし算かひき算かが判断できる簡単な文章題から練習しましょう。

●例(文章題)
「あめが【5こ】あります。【2こ】食べました。【のこり】は何こですか。」
あめを絵にかいて、食べた分だけ斜線を引き、のこりのあめを囲んで、「のこり」を「見える化」します。

STEP3:複雑な文章題

「ちがいはいくつ」「どちらがいくつ多いでしょう」など、少し複雑な文章題も、「聞かれていることは何か」「何算をしたらよいか」を、いっしょに考えて進めます。

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STEP4:問題をつくる

子どもの好きなキャラクターや食べ物、子ども自身や友だちを問題に登場させるなどの楽しい文章題をつくって、親子で問題を出し合ってみましょう。

P O I N T

文章題を解くには、国語の「言葉や文章を理解する力」が必要です。まず「読み取る」ところから、子どもにわかりやすく「見える化」したり、「通訳」したりしてあげましょう。絵や具体物を用いることも有効です。いろいろなパターンの文章題に慣れることで、「あわせて」「のこり」が「こういう意味か!」と気づけるようになります。

さくらんぼ教室メソッド 発達が気になる子の「できる」をふやす 算数

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