ひどい反抗期に「私の育て方が悪い?」と自分を責める親に、子育てラジオMCが伝えたいこと
多くの親御さんが悩みを抱える、子どもの反抗期。子どもとのコミュニケ―ションに難しさを感じるこの時期、親が心掛けておくべきことはなんでしょうか。
子育てのラジオ「Teacher Teacher」で、たくさんの子育ての悩み相談を受けてきた福田遼さんに、反抗期の乗り越え方について教えていただきました。
子どもの反抗期 親に必要な心構えは?
──著書『先生、どうする!?子どものお悩み110番』(PHP研究所)の記事をnobicoに掲載させていただいたのですが、特に反抗期の記事に大きな反響がありました
★『反抗期の中学生がもっとも嫌う「親の口調」とは? 言い方次第で子どもの反応は変わる』
反抗期のお子さんを持つ親御さんからの相談は多いのでしょうか?
はるか:反抗期が特別多いわけではないのですが、反抗期の相談は長文でいただくことが多いですね。悩みの質も深刻で、人生を左右する局面だと感じることが多いです。
よくあるのが、勉強や早起きなど、社会的に「こうすべき」と言われていることができない、という相談です。
非常に深刻に考え、悩んでいる親御さんが多いと感じています。
──そもそも、反抗期は何歳から始まるんですか?
はるか:反抗期は3〜4歳頃の第一反抗期、12〜13歳の第二反抗期がありますが、一般的に反抗期とは第二反抗期のことを言われることが多いです。第二反抗期は、思春期とも同義に捉えられます。
思春期は欲求に対するエネルギーが大きい発達段階なのですが、自分をコントロールするメカニズムが未発達な状態なので、脳がアンバランスな状態なんです。
このような状態だと、頭では社会的なルールを理解していても、実際に実行するのが難しいことがあります。その結果が反抗的な行動として表れてしまうのです。
感情が暴走するし、やりたいこともたくさん。でもブレーキが効かない。そのような状態の思春期の子は、大人から見ると、感情の起伏が激しくわがままに感じられるかもしれません。
──思春期の子どもとのかかわりは、大人のメンタルもかなり疲弊すると思います。どのように乗り切ればいいでしょうか。
はるか:僕は二つのポイントがあると考えています。一つは、「これは一時的なことだ」と理解することです。脳のバランスが崩れるのが原因なので、子どもが悪いわけでも、親が悪いわけでもありません。
「この子は大変な子だ」「私の育て方が悪い」と誤解してしまうと、親子関係に亀裂が生じてしまいますので、成長の段階としてこの時期を捉えることが非常に重要です。
もう一つは、「この思春期、反抗期には必ず終わりが来る」ということです。アンバランスな状態は一時的なものなので、今はこういう時期だと、嵐が過ぎ去るのを待ちましょう。
反抗期とのコミュニケーションで気を付けたいこと
──反抗期の子どもとのコミュニケーションについて、ぜひアドバイスをお願いします。
はるか:まずおすすめなのが、Iメッセージです。子どもに「○○しなさい」と言うのではなく、「○○してくれたら私は嬉しい」と、自分を主語に気持ちを伝えるコミュニケーションですね。
難しいのは、Iメッセージはコミュニケーションであり、相手をコントロールする魔法ではないということです。 コミュニケーションとは、折り合いをつけることだと僕は考えています。お互いに妥協しながら、納得できるポイントを探すことが非常に重要です。
もう一つは、子どもの行動の目的を考えることです。「私の育て方が悪かったから反抗している」と考えるのではなく、「この子は今どんな目的で反抗しているのだろうか」と考えると、解決策が見えてくると思います。
アドラー心理学の目的論によると、反抗期の子どもの行動目的は、
1注目してほしい
2力の誇示
3復讐
4無気力
の4種類だとされています。
僕が最も多いと感じるのは、「力の誇示」です。子どもは「自分を認めてほしい」という気持ちをもっていますが、親は良かれと思って子どもを叱ったり、何かを強制したりしがちです。そうすると子どもは逆に自信を失い、自分の力を発揮できなくなってしまいます。最悪の場合、追い詰められた子どもは、反社会的な行動をとることもあります。
大切なのは、子どもの自信を取り戻し、家族の中での居場所を作ることです。子どもの得意なことを活かし、家族に必要とされる経験をしてもらうことをおすすめします。 例えば、無気力だった中学3年生の男の子が、得意な料理で家族から感謝されることで、気持ちが前向きに変わったケースがあります。
子どもの悪い言動だけに反応するのではなく、良い行動や適切なコミュニケーションにこそ注目し、声をかけることが重要です。
(取材・文/nobico編集部)
『先生、どうする!?子どものお悩み110番』(福田遼,秋山仁志/PHP研究所)
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子どもにガミガミ怒ってばっかりの自分に、ドンヨリ。 うちの子の将来、このままでだいじょうぶかな、と不安になる……。そんなモヤモヤとした気持ちを抱えるすべての親御さんに届けたいーー。
元小学校教師のはるか氏と、友人でラジオ番組プロデューサーのひとし氏の二人が、子育てに悩める親御さんの気持ちに寄り添い、「明日やってみよう」と思える、22の「神回答」をお届けします。