「娘の話を聞くときは、妻の話を聞くように」 人気家族YouTuberに学ぶ、父娘の信頼関係のつくり方
親子によるコントのような「ごっこ遊び動画」が人気の、家族YouTuber「おうちごっこ」。
父ヒロアキさんが語る、9歳の娘さんとの仲の良さの秘訣とは?
子どもとの信頼関係を育むための具体的な秘訣を、ご本人に語っていただきました。
先生のモノマネをしたがる子だった
――ご家族の息の合ったごっこ遊びに毎回笑わせていただいているのですが、ヒロアキさんは芸人ではなく、一般の方なんですよね?
全然芸人じゃないです! 養成所に通っていた過去もないです。動画を撮りながら、現在も普通に働いています。
笑いについては、娘に育てられたところがありますね。
ちなみに、普段のやり取りも基本は動画と同じような感じです。むしろ動画以上にもテンションが高い時もありますね。
――ごっこ遊びの登場人物にリアリティがあって面白いです。演技力はどうやって身に着けたんでしょうか。
小学生の時、クラスに先生のモノマネをしたがる子がいませんでしたか? 僕がまさにそういうタイプでした。
ごっこ遊びの役については、基本的に仕事の中で出会った人をベースに、イメージで保管しています。
今は「人の目なんか気にすんなよ!」みたいなテンションですけど、子どもの頃は人の顔色をうかががう性格で、臆病さゆえに人のことをよく観察していた節もありました。もしかしたら、それが今のごっこ遊びに繋がっているかもしれません。
最近は娘に言い負かされることも
――娘さんと、息の合ったやり取りをされていますよね。
親子の会話量は普段から重視しています。遊びの中でもそれ以外でも、とにかく会話を大事にしていますね。
そのためか、最近では親子で言い合いになったときに、子どもに言い負かされることもあります。結構痛い所ついてくるんですよ。「すごい攻めてくる~!」みたいな。
頭の回転はたぶん早いと思いますね。
――ご家庭で才能が鍛えられているのを感じます!
おそらく学校では、家でいろいろ試したことを、友達の前で実践しているんじゃないかと思います。
「芸人になりたい」と言っていた時期もありましたね。
――娘さんは、どちらかというとお父さん似ですか?
妻のミキちゃんに似ている部分もあるのですが、基本的には私にすごく似ていると思います。いい意味で人を良く見ていますよね。
性格に限らず、寝起きの悪さだったり、ちらほらと似てるところを感じます。
最近の娘は、テレビを見る時、横に寝っ転がって肘枕をついている時があるんです。
その姿を後ろから眺めていると、「俺にそっくりだな」とか、「大きくなったな」とか、色々とこみ上げてくる想いがあります。
娘から信頼されるパパになるには?
――10歳は思春期の始まりと言われていますが、娘さんからその兆しを感じますか?
娘は今9歳なんですけど、「パパの顔見ると、なんか私イライラしちゃう!」と言われることがあります(笑)。気持ちを素直に伝えてくれるので、まだ助かっていますが。
保育園や学校の先生も言っていたんですけれど、最近の子どもは年齢以上に内面の成長が早いように感じます。様々な価値観に触れる機会が多いからだと思うんですけど、自分の考えをしっかり持っていることに気づかされます。
女の子としての目覚めみたいなものも感じます。寂しさもありますが、成長を実感する嬉しさもあって。納得できる寂しさという感じですね。
――娘さんはヒロアキさんになんでも話してくれますか?
娘は何か嫌なことがあったとき、まず妻に話をするんです。
彼女の中で「パパにも言ってOK」という条件をクリアすると、僕にも話してくれるようになります。
こちらの状況やコンディションを見て「今は言うのをやめておこう」と判断している節もあって、その辺は大人っぽいなと感じますね。
娘の話を聞くときは、「子どもの話だから」と馬鹿にせず、1人の人間として真摯に聞くことを心掛けています。
大人が小馬鹿にした雰囲気を出したり、発言をしてしまうと、子どもは敏感に察知して「次からはもう言わない」となるので。
なので、僕は娘の話を聞くとき、妻の話を聞くのと同じテンションで聞くようにしています。
「うんうん、そうだよね」と一通り受け止めたあとに、親として発言するというか。
そのおかげか、今でも比較的いろいろ話してくれるなと感じます。
とても嬉しかったのが、娘が好きな人の話をしてくれたことです! この件に関しては、僕から1回プレゼンしたことがあって(笑)。「この家で男なのは俺だけ。男側の意見も必要だと思う」「無理強いはしないけど、話してくれたら、質問には真摯に答えるよ」って。
――娘さんがお父さんに恋の相談! すばらしい信頼関係ですね。ヒロアキさんが、お子さんを一人の人間として尊重されているのを感じます。
なんでしょう、やっぱりかわいいからじゃないでしょうか。仲良くいたいという気持ちがあるので、自然とそう接しているのかもしれません。
子どもが親に話したことを、親が勝手に親戚に言いふらしてしまう事って結構ありがちだと思うんですが、そういうことは一切ないように気をつけています。
娘には「YouTube関連のことは、小学校で聞かれても答えないでね」とお願いしていて、娘はそれを守ってくれているんです。娘が約束を守ってくれているのに、こっちが信頼を裏切る訳にはいかないので、娘からの相談内容は、第三者に話さないようにしてます。
小学校3年生になって、親と子の関係が「人対人」になってきていると感じます。「育児」ではなくなってきているかもしれないですね。
――今後、お子さんとの距離感についてはどのようにお考えでしょうか。
お風呂などに関しては、親である私の方から身を引かなきゃいけないというのは感じます。
それ以外に関しては、とりあえずは今まで通りで問題がなさそうです。
毎日「大好き!」とスキンシップを取りに行ってるんですが、意外と受け入れてくれるときもあって。かわいくてしょうがないですね(笑)。
――世のお父さんに伝えたいことがあればぜひお聞かせください。
今の時代は、社会構造に無理が来ているように感じます。家族を金銭面で養いつつ、家族との時間を作ることが、男性も女性も困難になっています。
だからこそ、一つの仕事に頼らず、副業や複数の仕事で収入を得るなどして、家族との時間を確保できるようにしてほしいと強く思います。
お金は後から何とかなりますが、子どもとの時間は二度と戻ってきません。いくら後から金銭的な補償をされても、失った子どもとの時間は絶対に戻りません。
小さい頃の親子の時間は、子どものその後の人生の基盤になる大切なものだと考えています。
大変だとは思いますが、ぜひ子どもにたくさんの時間を使ってほしいと思います。
(取材・文:nobico編集部 中野セコリ)
『家族を笑顔にする32チャレンジ おうちごっこの子育て1年生』 (おうちごっこ ヒロアキ/KADOKAWA)
ラッパー、歯医者さん、裁判官、アイドル…「ごっこ遊び」で想像力が育つ!
SNS総フォロワー数182万人超!
家族YouTuberおうちごっこヒロアキ氏の初著書が発売!
「子どもとどうやって遊んでいいかわからない…」
「子どもとどう接していいかわからない…」
そんな悩みを抱えたパパ・ママに向けて、お金も自信もなかったヒロアキ氏が発明した家族の絆の深め方を紹介します。
・子供がお風呂に入りたがらない時は?
・子どもが楽しく勉強するには?
・家族イベントの作り方
など…家族を笑顔にする32のミニチャレンジを収録。
さらに、イラストと4コマで親子の悩みもスッキリ解決!
コラムも充実し、子育てに悩んでいる方も、ファンの方もみんなが楽しめる一冊です!