早すぎる塾は逆効果? 小学校入学前までに必要な「勉強で自走できる子になる」準備

一般社団法人Raise
2025.02.13 10:40 2025.02.14 12:00

勉強する小学生女子

入学シーズンが近づいてきました。小学校の入学を控えている家庭では、筆記用具の準備などを進めている頃でしょうか。道具の準備もさることながら、お勉強の準備も余念なく進めようと年明けから塾に入る家庭もあります。

入学を前に、スタートダッシュが肝心と焦る気持ちも分かりますが、入学前の準備としてはもっと大事なことがあるそうです。自宅学習の専門家で「おうち受験コーチング」代表の鈴木詩織さんに聞きました。(聞き手・文/一般社団法人Raise)

入学前に読み書きができていないと出遅れる?

塾の授業を受ける小学生の子

最近、学習塾への入塾が低年齢化していると話題になっています。小学校入学準備コースを設ける所もあるため「うちも早くお勉強をはじめなくちゃ!」と不安になる親御さんもいます。でも大丈夫です。小学校ではひらがなの読み方、書き方から教えてくれるので、入学前に読み書きが完全にできている必要はありません。

とはいえ、授業だけだとさっと終わってしまって、できるようになるか心配という親御さんもいるのですが、学習塾に入るよりも前に、実はもっと大切なことがあります。それは、人の話を聞けるようにしておくことです。え、そんなことでいいの?と思う方もいるかもしれませんが、私の指導経験上、これができていれば順調に1年生のスタートを切ることができます。

人の話が聞ける子は、学校の授業もしっかりと聞くことができるため、授業で学んだ内容をたくさん吸収し、自分のものにして帰宅します。同じ授業を受けていても、人の話を聞けない子の場合、教わった内容が頭に入っていません。

私はこれまでに約3500家庭のお子さんを見てきました。その中には、学校で習った内容を10聞いて10持ち帰ることができる子と、10聞いて1しか持ち帰れない子がいました。そして、両者の間には明らかに学びの差が生まれていました。

鈴木詩織

鈴木詩織

「おうち受験コーチング」代表。自宅学習の専門家。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。『おうち受験コーチング』(みらいパブリッシング)著者。12年にわたり学習コンサルタントとして3486人の家庭を訪問し子どものやる気を挙げてきた。プログラム受講生の95%以上が学習の習慣づけと成績UPに成功している。