日本でもアメリカでも外国人扱い…2つの学校に通わせて感じた子どもたちの成長
3人の子どもたちとアメリカ人夫とのアメリカ生活を撮影、編集し、日々子育てに奮闘しながらYouTubeで発信している「おかんさん」。
アメリカの学校が夏休みの間、子どもたちは日本の学校に通ったそうです。異文化の経験を楽しむ一方、お友達から外国人扱いされて悲しむことも。
そんな日本での学校生活の様子を、WHTチャンネル著『アメリカ在住3児ママの気張らない子育て法 子育てに正解はない! 家族が笑顔になる子育て』から紹介します。
※本稿は、WHTチャンネル著『アメリカ在住3児ママの気張らない子育て法 子育てに正解はない! 家族が笑顔になる子育て』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集したものです。
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大変でも通わせてよかった 3年目となった日本の学校生活
YouTubeチャンネルの動画でも何度か上げていますが、コロナ禍を経て日本に一時帰国ができるようになってからは、アメリカの学校が夏休みの間の短い期間ですが、子どもたちを日本の学校に通わせています。普段はアメリカで暮らしていますが、せっかく日米家族として生まれたのだから、日本の学校や日本の文化を経験させてあげたいと思ったのと、その間は私の実家にお世話になっているのですが、私の両親もそれならと歓迎してくれたので通わせるようにしました。
日本の学校が初めての子どもたちでしたが、私から日本の学校について事前にあれこれと説明することはほとんどなく、「給食がすごく美味しいよ」とだけ言ったと思います(笑)。れんもはりも、それに釣られて通ってくれたようなものです。
実際に通ってみると、れんとはりの反応もさまざま。ルールなどに厳しく、課題などを出されるとそれを乗り越えるのが好きなれんは、日本の学校も性に合っているようでした。お友達もできて、アメリカに帰ってきてからも日本のお友達とLINEでやりとりをしているようです。
日本の学校で大変だったこと

一方、そもそもアメリカでも学校などのルールが苦手なはりは、日本の学校でも同じような感じで、掃除をしないで怒られたりもしていたようです。それでも休まずに行っていたので、どうしても嫌だ! ということはなかったのだと思います。日本の学校に行き始めてから3年経ちましたが、友達もたくさんできましたし、「ロブロックス」というオンラインゲームを制作できるプラットフォームがあって、最近の子たちはそれで繫がるみたいで、IDを交換してバーチャルで遊んだりしていました。
日本の学校で大変だったのは、2人とも、荷物が多かったこと。それは何度も言っていました。上履きに体育館シューズにと、日本の学校はとにかく持ち物が多いですよね。靴については、「いつ履き替えるのか、タイミングも全然わからへん」と言っていましたし、大変そうにしていました。それからなぜか自由帳が好きなようでした。「自由帳っていう響きもいいわ」と言っていたくらいです(笑)。
アメリカでは経験させられないこと
学校生活以外では、お友達と一緒にお買い物に行ってお菓子を買ってくるというのが、とても楽しかったようです。アメリカでは、たとえ近くであっても子どもたちだけで買い物には行けませんし、車の免許を取るまでは子どもだけでどこかに行くこともできません。自分でお金を持って買い物に行けるというのは自立したような気分になるのでしょうね。れんはおばあちゃんに「納豆とおそばを買ってきてね」と頼まれて、初めてのお使いデビューもしました。おばあちゃんの言う「おそば」は中華そばのことだったのですが、れんは普通の「蕎麦」を買ってきてしまって、初めてのお使いは失敗(笑)。「どっちもそばだから、わからんわ!」と言っていましたが、本人は達成感があったようで嬉しそうにしていましたね。日本のテレビ番組には、もっと幼い子たちが初めてのお使いに行って、親御さんが感動するみたいなものがありますが、れんは12歳でしたから、私はさすがに泣きはしませんでしたけど(笑)。
いろんなことがあった日本での学校生活ですが、アメリカでは経験させられないことがたくさんできたので、通わせて本当に良かったと思っています。掃除一つにしても、アメリカではお掃除をする人がいるので自分たちでやるという経験はできませんし、日本の学校で掃除をしたおかげか、積極的に自分で掃除を始めるようになりました。それから、やはりお友達というものは財産だなと感じます。私以外で日本語を使って話せる友人がいるというのは、彼女たちにとっても学びにもなりますし、とても大切なことだと思うのです。
アメリカ人でも日本人でも場面に合わせて使い分けていけばいい
日本の学校生活はとても楽しい経験だったようで、私たちも嬉しかったのですが、ただ一つだけ辛かったのは、「お友達に外国人って言われて、それが悲しいの」とはりが悩んでいたこと。「自分は日本人なのに」と言う娘に、親である私も心が痛んだのですが、それを聞いていたれんが「いいじゃん、外国人なんだから!」とあっけらかんと返していました(笑)。しかしアメリカに戻ってからも似たようなことがあり、家で日本語の勉強をしているときに、れんとはりが「アジア人と言われたりする」と言っていたのです。
子どもたちは日米のハーフである以上、どんなに英語や日本語を話そうと、見た目の問題でそう言われてしまうこともあると思います。ですが、私がいつも子どもたちに言っているのは、「あなたたちは2つのカードを持っているのだから、シチュエーションに合わせて自分はアメリカ人だ、日本人だとコロコロ変えたらいい」ということ。こういう場面では日本人って言った方が得かもしれないと思うんだったら「日本人です」って言えばいいし、今この瞬間はアメリカ人って言った方がいいんじゃないかと思ったら「アメリカ人です」って言えばいい。そうやって場面ごとに使えるカードを2つも持っているのはすごいことなんだと伝えています。れんがはりに「いいじゃん、外国人なんだから!」と言ったように、自分は何人だと決める必要はなく、何人でもいいと思うのです。
れんは上手に割り切れている方だと思いますが、はりはまだその切り替えが上手にできていないので、外国人扱いされてしまうとしゅんとしてしまうのです。外国人と言われると、「自分と同じではない」と言われているようで悲しくなってしまうはりの気持ちも十分に理解できます。これから先もアイデンティティに悩むことはたくさんあると思いますが、自分はアメリカ人だ、日本人だと要領よく使い分けていけるようになると、気がラクになると思うのです。もしいつか自分で、「私は○○人だ」と決めたくなるようなことがあれば決めればいいのであって、今は人種にとらわれず楽しく過ごしてほしいと思います。
『アメリカ在住3児ママの気張らない子育て法 子育てに正解はない! 家族が笑顔になる子育て』(WHTチャンネル/KADOKAWA)
「子育てって、こんなに肩の力を抜いていいんだ!」アメリカ在住3児ママYouTuberのWHTチャンネルが、YouTubeでは語り尽くせない子育て論を初公開! フォロワー14万人を超えるWHTチャンネルの3児のママが優しく、独自の子育ての論を教えてくれました。