集団生活で起こりやすい「子どもの目の病気」とは? 医師に聞いた日常の予防とケア
保育園や幼稚園、小学校などの集団生活では、子ども同士が密接に関わるため、さまざまな感染症が広がりやすくなります。小さな子どもは、無意識に目を触る傾向にあります。
子どもが遊んだ後やテレビを見た後に目をこすっているのを見て、「大丈夫かな?」と不安になったことはないでしょうか?また、朝起きたら「目が赤い!」「目やにがたくさん出てる…」といった症状に気づいたことはありませんか?
そんな時、病院を受診すべきか悩む保護者も少なくないと思います。
今回は、子どもがかかりやすい目の感染症や、家庭でできる対策、適切なケアの方法について、ルクスアイクリニック代々木上原院長、河本立徳先生に詳しくお話を伺いました。
夏から秋に流行しやすい「アデノウイルス」
――集団生活では、どんな目の病気に注意が必要ですか?
河本医師:お子さんが集団生活でかかりやすいのは流行性角結膜炎(はやり目)ですね。これはアデノウイルスというウイルスが原因で、目が赤くなったり、めやにが増えたり、涙がたくさん出たりします。
まぶたが腫れることもあります。アデノウイルスは、感染力が非常に強いので、タオルの共用などでもうつることがあります。特に夏から秋にかけて流行しやすいですが、1年を通して感染の可能性はあります。
また、細菌性結膜炎もあり、これは黄色ブドウ球菌やインフルエンザ菌などの細菌によって引き起こされます。症状はウイルス性と似ていますが、黄色や緑色のネバネバしためやにが特徴的です。
――感染症による症状の場合には自然治癒は難しいのでしょうか?
河本医師:ウイルスや細菌による感染症は免疫がしっかり働いていれば自然に治ることもあります。ただし、症状が強く出ている場合や長引く場合には、抗菌薬などを適切に使用することで治癒までの期間は短縮できますので、目の充血が強くなる、めやにが増えてきた、まぶたが腫れるといった場合には、自然治癒を待たずに眼科を受診しましょう。
子どもの目が不調の場合、登園・登校の判断は?