毎朝の欠席連絡がストレス…不登校の子の親が心を軽くするために知っておきたい対応法
子どもが不登校になって初めて分かる「欠席の電話連絡」の苦痛…少しでも親がストレスを減らすためにできることはあるのでしょうか?
長年にわたって高校教師を務め、不登校の子を持つ母親としての経験も持つ不登校専門家の野々はなこさんが、学校への欠席連絡はどうすればいいのかを解説します。
※本稿は、野々はなこ著『誰にも頼れない 不登校の子の親のための本』(あさ出版)から一部抜粋・編集したものです。
学校の欠席連絡はどうすればいいのか?
「毎朝、欠席の電話連絡をするのが苦痛です」と悩んでいませんか?
実は私も我が子が不登校のときに毎朝電話するのがつらくてつらくて、心が折れそうになった経験があります。生徒の保護者からの連絡を受ける側だったときは、保護者があんなにつらい思いをしているなんて想像もしていませんでした。当事者になってみないとわからない感情があるのだと、不登校の子どもの母になって初めて痛感しました。
教師の立場で言わせていただくと、子どもが連続して欠席するようになった場合、毎朝の電話は不要です。3~4日、もっと言えば週に1度連絡をすれば大丈夫です。必要があれば学校から連絡があります。
子どもが学校に行かなくなり始めた段階で、担任の先生に事前に「毎朝の電話がつらいので、行けそうなときだけ電話でいいですか?」と伝えておくと事情を共有できてよいでしょう。新型コロナウイルスの感染が拡大して以来、学校のSNSやメール環境は整備されています。LINE、Slackなどのチャットアプリの使用ができないか聞くのもOKです。
先生はさまざまな保護者に対応しているので、しっかりと気持ちを教えてもらったほうが保護者のニーズがわかってお互いが楽になります。
毎日電話連絡が必要だと言われたら、担任の先生の意図を確認する
先生によっては毎日、電話連絡が必要だと言われることがあるかもしれません。そのときは担任の先生の意図を確認しましょう。
「学校の方針で毎朝連絡が必要だと言われている」
「生徒の様子が気になるから、毎日連絡してもらいたい」
「なんとか学校に来られるようにするための糸口にしたい」
このように担任によって考え方は異なるため、お互いの認識の相違をなくすためにも先生の意図を確認しておきましょう。家庭状況を一緒に伝えれば、担任は学校での対応方法の手がかりにしますので、うまく連携を取れるようになるでしょう。両者の関係性がよくなることは、ひいては子どもへのよい影響を与えることにもなるので、どんどん要望を出していきましょう。
もちろん自分の思いを全部通そうとするのではなく、うまく調整しながらお互いの考えや意見を擦り合わせてください。
担任の先生からの提案は子どもにすべて伝える
また、葛藤期では、担任の先生から「別室登校しませんか」「スクールカウンセラーと面談しませんか」と提案されることがあるかもしれません。担任の先生からの提案は、子どもにすべて伝えてください。
提案に対しての当事者はお子さんですので、親が決めるのは当事者であるお子さんを無視した行動になります。「スクールカウンセラーには会いたくない」と言ったのに、無理やり連れて行っても意味はありません。子どもの決定権を奪うことは自立心の育成にはならず、いつまでたっても親のコントロールから抜け出せなくなります。自分で決めさせること(=自己決定)はとても大切です。学校からの提案を自分で決めてもらうために、学校の情報は漏れなく伝えてください。
『誰にも頼れない 不登校の子の親のための本』(野々はなこ/あさ出版)
ある日突然、子どもが学校に行けなくなり、寝てばかりで、起きている時はスマホやゲームに夢中。何も話してくれず、考えていることが分からない。そんな状況に、不安で押しつぶされそうな気持ちになっていませんか?
本書は、思春期の不登校に悩む親のための頼れるガイドブックです。