「勉強嫌いなまま」でも最難関校に合格! 子どもが自ら動き出す月1インタビューの効果

下村弥沙妃(著), こげのまさき(イラスト)
2025.04.11 09:53 2025.04.17 11:50

勉強する男の子

息子二人が最難関校に合格した、小児科看護師/育児アドバイザーの下村弥沙妃さん。「勉強なんてかんべん!」そんな次男が、地域最難関校に合格! 兄弟そろって中学受験を成功させた秘密は、月1回のインタビューにあるそうです。

子ども自身が目標を見つけ、動き出す力を育む子育て方法を、下村弥沙妃(著), こげのまさき(イラスト)『3日で自発的に動く子になる! 信頼声かけ』から紹介します。

※本稿は、『3日で自発的に動く子になる! 信頼声かけ』(下村弥沙妃(著), こげのまさき(イラスト)/Gakken)から一部抜粋・編集したものです。

おしゃべりができるようになったらインタビュースタート

笑顔の母と息子

我が家でも、二人の息子に毎月インタビューをしてきました。
スタートはおしゃべりができるようになったころ――1歳9か月ごろだったと記憶しています。長男は7日生まれなので、毎月7日に。次男は28日生まれなので、毎月28日にインタビューをしました。

私「お名前を教えてください」
息子「○○○○でしゅ!」
私「何歳何か月ですか?」
息子「2しゃい2かげちゅでしゅ!」

自ら勉強をするようになった次男の“カッコいい人物像”

当然子どもですから、その時の気分で毎月答えは変わります。
ですが次男は、幼稚園の年中になったころから、「将来どんな人になりたいですか?」の質問に対する答えは、一貫して同じでした。それは、「カッコいい人」。

さらに、「あなたにとってカッコいい人とは、どんな人ですか?」と質問を続けると、「サッカーが上手な人」「走るのが速い人」など、その時々の次男にとっての“カッコいい人物像”を答えてくれました。
そのたびに、“カッコいい人になる遊び”が我が家のブームになります。体を動かすことが好きな次男の「カッコいい人」は、決まってスポーツがらみ。

ですが、小学2年生になると、次男の“カッコいい人物像”が変わらなくなりました。

私「あなたにとって、カッコいい人とは、どんな人ですか?」
次男「優しくて、頭がいい人です!」
私「優しくて頭がいい人になるために、あなたが今できることは何ですか?」
次男「勉強です!」

勉強が好きな長男に対して、「勉強なんて、かんべん、かんべん!」が次男の口癖だったので、これにはビックリ! そう言って、その日から次男は自ら勉強をするようになりました。

目標となる人物像=長期目標

勉強をする男の子

やがて小学3年生になった時には、「塾に行く!」と宣言し、更にはその後、「中学受験をする!」と言い、実際に受験を完走するまで自ら勉強を続けました。
この、「目標となる人物像=長期目標」が、次男の行動を生み出したことは言うまでもありません。
勉強嫌いな次男が一日も欠かさず塾に通い、努力を重ね、中学受験で地域最難関の滝中に合格したことは、私たち親子にとって大きな自信となりました。

もちろん、勉強が分からなくて苦しい表情を見せたり、成績が振るわなくて悔し涙を流すことも多々ありました。
でもその度に、自らを奮い立たせ、決して諦めずに努力を続ける姿は、我が子ながら本当に立派だったと思います。
この、自分で決めて自分で行動をしたという経験は、次男のこれからの人生において宝物になったと信じています。
このように、勉強嫌いなままでも、長期的な目標を自覚させることで、その時に必要なことを自ら考え出し、自走することは可能なのです。

子どもの苦手なこと、嫌いなことを無理に変えようとするのではなく、できることに注目してその時々に必要なサポートをする子育ては、子どもの可能性を大いに広げることができるのです。

息子二人が最難関校に合格したのもインタビューのおかげ

同じようにインタビューを続けていた長男は、幼稚園に入ったころから好きな勉強と音楽に没頭していました。
やがて小学6年生になり、中学受験とエレクトーンコンクールの両方で日本一を目指すと決め、勉強では、全国最難関の灘中に合格。入試2か月前のエレクトーンコンクールでは、日本一になる目標には届かなかったものの、西日本大会入賞を果たすことができました。

ところで、勉強が好きな長男に、どうして勉強が好きなのかを尋ねたことがあります。
その答えは、次のようなものでした。

私「どうして勉強が好きなの?」
長男「楽しいから!」
私「どんなふうに楽しいの?」
長男「成長しているって実感できて、勉強をやめたくないって思うんだ」

本書でご紹介している声かけを続けることで、自分の気持ちを常に確認して表現する力がついていたのだと思います。
以上から、我が家の二人の息子は全く異なる動機で、それぞれ目標に向かって中学受験を経験しました。要するに、目標や動機を自覚させることは、自発的に行動を起こす原動力になるということなのですね。

1か月に1回インタビューをする時間を作るだけで、子どもがやる気を出して自ら目標に向かって自走する子育て法。ぜひ、ゲーム感覚で楽しみながら続けてみてくださいね。
このように、長期的な目標を子どもにしっかり根付かせて、本書でご紹介する魔法のフレーズを使うことで、その時その時で正しい行動へといざなうことができるのです。

下村弥沙妃

小児科看護師/育児アドバイザー
1977年、三重県生まれ。看護学校卒業後、大学病院の小児科病棟へ就職。勤務経験から、健康状態や環境に左右されない「心の作り方」が大事であり、そのカギを握るのが親子関係だという確信を得る。そこで理想の育児を徹底的に学ぶべく数々の資格を取得。
2011年より自己肯定感を高める育児セミナー、カウンセリング、育児相談を開始。評判を呼び、口コミだけで最長2年半待ちのセミナーとなる。
2020年に長男がエレクトーンと両立しながら1年で灘中学に合格。しかも入試2か月前のエレクトーンコンクールではセミファイナリスト入賞を果たす。そのやりたいことをしながらも最難関校に合格させたノウハウは幅広い層の親たちに衝撃を与え、さらにセミナーの問い合わせや相談が増えている。次男も難関校の滝中学に合格。
現在までに、育児セミナー、個人セッションのほか、公立中学校PTA研修講師、公立小学校特別授業講師、児童発達支援事業所専属心理士など、これまで1万人以上の心身の健康をサポートしている。

X:@misaki_0614_

Instagram:@ode.misaki

3日で自発的に動く子になる! 信頼声かけ

3日で自発的に動く子になる! 信頼声かけ』(下村弥沙妃(著), こげのまさき(イラスト)/Gakken)

子どもは論破しても動いてくれません。信頼関係ができれば、希望通りに自走してくれます。
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