「ジャンクフード=悪」ではない? 子どもの“食べたい気持ち“を尊重する食育のコツ
「子どもがおやつやジャンクフードばかり食べたがる」と悩んでいる親御さんは多いでしょう。そういうときは、おやつやジャンクフードを「=悪」と頭ごなしに否定せず、子どもの「食べたい」気持ちに優しく寄り添うことが大事なのだそうです。
体に良い食事で栄養を摂ってほしい気持ちを子どもにうまく伝えるには、どのようにしたらいいのでしょうか? 下村弥沙妃(著), こげのまさき(イラスト)『3日で自発的に動く子になる! 信頼声かけ』から紹介します。
※本稿は、『3日で自発的に動く子になる! 信頼声かけ』(下村弥沙妃(著), こげのまさき(イラスト)/Gakken)から一部抜粋・編集したものです。
おやつばかり食べたがる子どもへの声かけ
×「お菓子ばかり食べると、ご飯が食べられなくなるよ」
×「ちゃんとご飯を食べなかったら、明日からおやつ抜きよ」
○「ご飯もしっかり食べられて、おやつも満足できる量はどのくらいかな?」
子どもが食事よりもおやつを好んで食べたがるというお悩みについて、考えていきましょう。
そもそものおやつの始まりは、江戸時代に一日二食が一般的だったころのお昼時に摂る栄養補給。今ではその意味合いはすっかりなくなり、嗜好品としての位置づけになりましたから、食事から栄養を摂ってほしいと思うのは当然のことです。
子どもは「ご飯を食べたくない」のではなく「おやつが食べたい」
×「お菓子ばかり食べると、ご飯が食べられなくなるよ」
×「ちゃんとご飯を食べなかったら、明日からおやつ抜きよ」
食事で栄養を摂ってほしい気持ちの表れとして、こんな声かけをされる方も多いと思います。
でも子どもにとっては、「ご飯を食べたくない」のではなく「おやつが食べたい」なのです。この違いをはっきりと認識して効果的なしつけをしていきましょう。
子どもがおやつを欲しがらなくなった声かけ
○「ご飯もしっかり食べられて、おやつも満足できる量はどのくらいかな?」
この声かけをすることでまず、おやつよりも食事を摂ることが大切だということを伝えられます。
そして、食事を十分に食べられることを前提に、おやつを満足に食べても良いし、その量を自分で決められるという子どもへの厚い信頼を伝えています。
この声かけをした結果、子どもはおやつを欲しがらなくなったという声をたくさん聞きます。大好きなお母さんが寄り添ってくれることで、心が満たされるからですね。
ジャンクフードばかり食べたがる子どもへの声かけ
×「体に悪いものばかり食べると病気になるよ」
○「ジャンクフード美味しいよね。でも、体に良い物もたくさん食べてほしいな」
ジャンクフードとは、高カロリーで栄養価が低く添加物が多い食品のことです。ですから、過度に摂取すると健康に悪影響を及ぼすことが考えられます。かといって、完全にシャットアウトするのはなかなか難しいでしょう。
将来自分で栄養管理ができるよう、生活の中の楽しみの一部として適度に取り入れられるよう、親から子へ言い伝えていきたいですね。
「ジャンクフード=悪」と頭ごなしに否定しない
×「体に悪いものばかり食べると病気になるよ」
「ジャンクフード=悪」と頭ごなしに否定して脅しともとれる伝え方をすることは、好ましいしつけとはいえません。この声かけを続けていると、将来万が一病気になった時に「病気になったのは自分が悪いんだ」と、自分を責めることになります。
たとえ生活習慣病と呼ばれるものでも、決定的な原因を突き止めることは困難ですし、自分を責めることが解決につながることはありません。
親の声かけが、子どもの将来に影響することを念頭に置いて、将来の役に立つしつけをしていきたいですね。
子どもの気持ちに優しく寄り添い自主性を尊重する
○「ジャンクフード美味しいよね。でも、体に良い物もたくさん食べてほしいな」
「ジャンクフードは美味しいよね」と、子どもの気持ちにまずは寄り添い、その上で親の気持ちを伝えます。このメッセージからは、親が子どもの健康を気遣う優しい気持ちが伝わります。
強制よりも、優しく寄り添い自主性を尊重することでしつけがうまくいく、ということを覚えておきましょう。
『3日で自発的に動く子になる! 信頼声かけ』(下村弥沙妃(著), こげのまさき(イラスト)/Gakken)
子どもは論破しても動いてくれません。信頼関係ができれば、希望通りに自走してくれます。
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