「思春期でも仲の良い親子」と「ギスギスする親子」 その差を生む家庭の習慣とは?

岡幸子,一般社団法人Raise
2025.04.23 09:48 2025.04.22 12:00

外を見る中学生

 

思春期の時期は我が子にどう接していいか分からずに親のモヤモヤは募るばかり。しかしこの思春期の摩擦は人間だからこそ起こる現象のようです。今回は、『けなげに生きぬくいきもの図鑑』(実教出版)の著者で元高校教師の岡幸子さんに思春期の乗り越え方について伺いました。(聞き手・文/一般社団法人Raise)

人間の親子だけが「ギスギスした関係」になる理由

思春期のイメージ

 

思春期は、身長の伸びや性別による身体の変化が急激に起こる時期ですが、人間の場合はそこに「心の成長」も加わります。

しばらく親に守られて育った後、独り立ちする動物は人間以外にもいますが、人間のように「心の成長」を伴う思春期は見られません。人間の場合、思春期の親子の関係がギスギスしがちになるのは、この「心の成長」が関係しているのです。

しかし、他の動物の世界でも、親と子の間に緊張や対立のようなものが全く起きないわけではありません。

たとえば、自分の子にあえて試練を与えることで成長させようとする親の愛情を表す言葉に、「獅子の子落とし」という慣用句があります。これは、ライオンが生まれたばかりの子を谷に落とし、戻ってきた子だけを育てるという言い伝えから生まれた言葉ですが、実際のライオンの世界はそれ以上に過酷です。

岡幸子

「思春期子育てコーチ」『けなげに生きぬくいきもの図鑑』(実教出版)著者。元高校生物教師。36年間で9,000人以上の生徒と保護者に関わってきた。NHK教育テレビ「高校講座生物」の講師を25年間務め、教科書も執筆。現在は、子育てコーチとして不登校・親子関係の悩みなどに寄りそう活動を続けるほか、生き物に学ぶ講演活動をしている。お茶の水女子大学理学部生物学科卒業。