子どもが足や股関節を痛がるのは成長痛? 病院に行くべき? 整形外科が伝える「注意すべき症状」

吉澤恵理

「足が痛い」「足の付け根が痛い」——子どもがそんなふうに訴えると、保護者としては心配になります。とくに夕方から夜にかけて痛がり出し、時には泣き叫ぶような様子を見せると、「成長痛かもしれない」と思いつつ、「念のため病院で診てもらった方がよいのか」と迷うこともあるのではないでしょうか。

今回は、札幌中央整形外科クリニック院長の亀田和利先生に、成長痛の特徴や注意すべき症状、そして家庭でできるケアや生活・栄養面でのポイントについて伺いました。(取材・文/吉澤恵理)

子どもの成長痛には「明確な原因」がない?

──「成長痛」とは、どのような状態を指すのでしょうか?

亀田先生:「成長痛」という言葉はよく使われますが、これは正式な医学用語ではありません。主に3歳から12歳くらいのお子さんにみられる、明確な原因のない足の痛みをそう呼んでいるのが実情です。

典型的なのは、夕方から夜にかけて太ももやふくらはぎ、膝周辺などを痛がるケースです。日中は元気に遊んでいたのに、夜になると突然「足が痛い」と言い出す。中には、急に強い痛みが出て、泣き叫ぶような子もいます。ただ、翌朝にはけろっとしていて、普通に登園・登校する、というのが特徴です。

──成長期に骨が急激に伸びることが痛みの原因だと言われることがありますが、よく起きることでしょうか?