思春期の子どもが発する「うるせ!ババア!」に凹まない…反抗的な態度への対処法

富永愛梨

思春期の子どもに「うるせ!ババア!」と言われて凹んでしまうことありますよね。さらにはムカついてイライラした気持ちを子どもにぶつけてしまうことも…。そんな気持ちにならないような秘策があれば知りたいですよね。

親のユニークな発想の転換によってストレスを軽減する方法を、富永愛梨著『息子が不登校だった心理カウンセラーが伝えたい 不登校の子が元気になる言葉 つらくなる言葉』から紹介します。

※ 本稿は、富永愛梨著『息子が不登校だった心理カウンセラーが伝えたい 不登校の子が元気になる言葉 つらくなる言葉』(青春出版社)から一部抜粋・編集したものです。

「うるせー、ババア!」など親に反抗的な態度をとる

【毒になる言葉】
「親に向かって、なんて口をきいているの? 謝りなさい!」

【薬になる言葉】
「お母さんには“お母さん、大好き“って聞こえるんだよね。
もう一回、アンコールしてもいい?」

子どもに反抗的な態度をとられると、ムカついて腹が立ちますよね。「お前には関係ねーだろ!」「黙れよ!」「うるせーんだよ、クソが‼」なんて言われるために毎日頑張って子育てしているわけじゃないのに、と落ち込んでしまいます。
もしかしたら、子どもに攻撃的な態度をとられると怖くて怯んでしまい、子どもを怒らせないようにと必要以上に気を遣ってしまう場合もあるかもしれません。そうすると親子の立場が逆転し、子どもが王様のように振る舞い、親が家来か奴隷のように扱われてしまいます。
「親に向かってなんて口をきいているの! 謝りなさい!」
と反抗期の子どもと同じ土俵に立って、真っ向から勝負をするのは横綱相手に相撲を取るようなもので、体力を消耗して疲れるだけです。
子どもの言葉にカチンときたら、子どもと相撲を取っているイメージをするといいかもしれません。毎日相撲を取るなんて考えただけでしんどくなります。
こんなときは、横綱級に手強い子どもと真正面から勝負をしようとせずに、勝手口から回っていくくらいの気持ちで対応したほうが賢明です。

目の前の子どもの言動にイライラすると思いますが、発想を変えていきます。
反抗する子どもの心の根っこの部分を探っていくと、自分の強さをアピールすることで、もっと自分の成長を認めてほしい、もっと自分のやることを信じてほしいと望んでいるのかもしれません。
だから、静かに見守ってほしいと思っているのに、親が口うるさく干渉してきたら、子どもの望んでいることと真逆の行動をとってしまっていることになります。
子どものムカつく発言は、『ポケットモンスター』のピカチュウみたいに何を言っても「ピカピカ!」「ピカチュウ!」と言っているとイメージすると、かわいく思えます。
ピカチュウ語は分からないので、「お母さん、大好きだよ!」って一生懸命に愛を叫んでいるんだなと思うと、さらに子どもが愛おしくなります。
こちら側が子どもにイライラしたり怖がったりしてしまうと反抗的な態度を繰り返してきますが、こちら側の反応を変えてしまえば子どもは反抗的な態度はとれなくなるでしょう。

息子が不登校だった心理カウンセラーが伝えたい 不登校の子が元気になる言葉 つらくなる言葉』(富永愛梨著/青春出版社)
本書は、子どもの不登校や「行きしぶり」に悩む親に向けて、親は子どもにどんな言葉をかけるのがよいかをわかりやすく説明します。
息子の不登校・行きしぶりをきっかけに学んだNLP心理学に基づくコミュニケーション・スキルをあますことなく公開。
「わが子の心身の状態を親自身の力で救い出してあげたい」と思ったら本書を見てください。