卒園児のIQが驚きの高さ! 人気園の園長が教える「子育て4原則」

小泉敏男
2025.05.16 16:45 2025.05.20 11:50

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お受験で子どもを選抜しているわけではないのに、卒園児のIQが毎年平均120を記録している、東京いずみ幼稚園。
人気の園が実践している、「子どもを伸ばす育て方」の基本は?
家庭でできる「上手な子育て4つの原則」を、園長の小泉敏男先生の著書より抜粋してご紹介します。

※本稿は、小泉敏男著『自分で考えて動く力がつく 最高の育て方事典』(講談社)より一部抜粋、編集したものです。

上手な子育て4つの原則

親は子どもに何をすべきでしょうか。
絵本の読み聞かせ、きちんと食事を与えること、言葉の教育、音楽、運動、躾しつけ……人によりいろいろな意見があるでしょうが、私に言わせると最も大事なのは、

10歳までは見み栄えを張って「いい親」を演じること

これに尽きます。

子どもはいつも親を見て、真似しようとしています。親の行動は子どもに影響し、成長を後押しすることもあれば、頭打ちにすることもあります。

だから親は、子どもの前で「ありのまま」でいてはいけません。私自身もそうですが、ありのままの自分だけで子どもに立派な姿を見せられる大人は少ないでしょう。

少し無理してでも「いい親」を演じてみてください。ちょっと背伸びして頑張っているうちに、どんな人も「本当にいい親」になっていきます。

たとえしんどくても、次のような4つの心がけを持って子どもに接してあげましょう。

1.親が子どもと一緒に楽しむ

砂遊びする親子

こと幼児教育においては、何事も子どもと「一緒に」取り組みましょう。それも、ただ取り組むのではなく、親が率先して「楽しそうに」やって見せることが大事で、子どもにだけやらせるのはNGです。

親がやることには何にでも興味を持ち、自らチャレンジするのが子どもというものです。私は園の保護者に、よく「子どもが興味を持てるよう導きましょう。そこから子どもの学びが始まります」とお伝えしていますが、そんなふうに持っていくコツは実に単純。ここに書いたとおり、親が子どもと一緒になって楽しそうにやって見せるだけでいいのです。

絵本を読む、料理をする、お出かけなど、声と匂いが届くところに親がいて、一緒に楽しみましょう。前の節でも書きましたがそれがいちばん大事です。

なお、間違っても子どもに無理強いすることだけは控えましょう。いったん子どもが始めたことに口出しするのも無用です。

強制や介入は興味を減じるだけで意味がなく、自主性も育ちません。悪くすると子どもが二度とやらない、といったかたちで裏目に出てしまうこともあります。

むしろ親が楽しそうにやっているところを見せて良いお手本になるほうが、逡巡している子も〈やってみようかな……〉と心が動くものなのです。

2.親が笑顔で子どもをほめる

パパと娘

親が自分に注目していて、しかも喜んでいるとき、子どもは最高に幸せです。

これは何も知育に限った話ではなく、挨拶、食事、散歩……など、生活のあらゆる場面で子どもはそう感じています。

お絵描き、縄跳び、鉄棒など何でも構いませんが、何かを頑張っているとき、子どもはいつも以上に親からの反応を欲しています。

よりによってそんなときに、親が難しい顔やしかめ面をしたり、生真面目に教え導こうとしてはいけません。正しいか間違ったか、上う手まくできた否か、などの結果は脇に置いて、

「よく頑張ってるね!」
「すごいな!」

と、笑顔を向けて、ちょっと大げさなくらいほめてあげましょう。

どんなことであれ、親子で楽しみ、親が喜んであげて、それを毎日くり返すのが大事なのです。

3.親が子どもの手本になる

草原を歩く親子

「一家は習慣の学校なり、父母は習慣の教師なり」と説いたのは、慶應義塾を開いた福澤諭吉でした。

まさにそのとおりで、家庭が果たす教育的機能は、知育に限らず生活全般から、はては人としての「生きる姿勢」といった、深いところにまで及びます。

取り繕つくろってでも「正しい姿」を見せてあげてください。親が手本になること、それが躾の基本です。

挨拶を欠かさない、しっかり「はい」と返事をする、履き物を脱いだらそろえる、「ありがとう」とお礼を言う、静粛が求められる場所では静かにする……など、世の中には守って当然のルールがあります。

まず大人が率先して守り、模範を示しましょう。正しく振る舞う親の姿を見て、子どもは良き習慣を身に付けていきます。そして子どもが守ることができたなら、しっかりほめてあげましょう。ルールから逸脱するようなら、止めたり𠮟ったりしてあげてください。

ルールを守ると親が喜んでくれる、ほめてくれるという「快」の体験を経た子どもは、次回も、そしてその次も、さらにその後も自らルールを守ろうとするはずです。

このように、理屈で教え込むのではなく、親が手本を示すことで子どもにパターンとして浸透させることで「ルール感覚」が形成されます。

「ルール感覚」とは、無意識にモラルに沿って動こうとする癖みたいなもの、と言えるかもしれませんが、その感覚が、のちに気持ちを切り替える力(スイッチング)や、必要なときに自己を抑える自制心の基礎になるのです。

4.良いことは続け、悪い刺激は避ける

タオルドライをする女の子

「良いこと」とは、子どもの成長につながることです。

親の声と匂いを伝えることであり、親が子どもと一緒に学ぶことであり、要するにここまで書いてきた原則のすべてを指しています。

とはいえ、三日坊主に終わってしまっては何にもなりません。欲を言えば毎日、長く続け
るようにしてください。できれば10歳まで続けてもらいたいと思います。

幼児は親に構ってもらうのが好きですが、10歳を過ぎ、思春期にさしかかった子は親との違いを意識しはじめ、我が道を模索し、親に逆らってでもそちらへ行こうとします。

さらに成長すると、次ページ左のイラストのように親から離れ「別の世界」を持つようになります。いわゆる反抗期に入るわけですが、そこまで大きくなれば、もう親が気を回してあれこれ与える必要はありません。そうなるまでの辛抱です。

10年と言われれば長いようですが、過ぎてしまえば「あっという間」。これは私の実感ですが、中学生以上の子を持つ親なら誰もが同じように感じていることでしょう。

子どもが子どもでいる時間は短いのです。後々〈あれをやっておけばよかった……〉と後悔しないよう、子どもが子どもであるあいだに精一杯「良いもの」を与えましょう。

そして同時に「悪い刺激」を避けるように心がけてください。子育てでは「しては
いけないこと」もあり、そこから子どもに伝わるのが悪い刺激です。

小泉敏男

1952年、東京都生まれ。東京いずみ幼稚園園長。大学在学中に「小泉補習塾」を開設。卒業後の1976年、父とともに「いずみ幼稚園」を創設し副園長に就任、1995年より現職。石井式漢字教育、ミュージックステップ、アイデアマラソンなどを取り入れ、屋内温水プールを設置するなど画期的なプログラムを次々と導入し、2004年には幼児教育界では初となる「音楽教育振興賞」を受賞した。2008年、「学校法人小泉学園 東京いずみ幼稚園」に改組、これまでに5000名を超える子どもたちに独自の幼児教育を実践してきた。著書に『東京いずみ幼稚園式 美しい日本語が、心の強い子を育てる』(単著、宝島社)、『国語に強くなる音読ドリル』(小泉貴史との共監修、致知出版社)がある。

自分で考えて動く力がつく 最高の育て方事典 どんな子も必ず伸びる56のメソッド

小泉敏男(著)『自分で考えて動く力がつく 最高の育て方事典』(講談社)

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