「子どもだけのお留守番」は何歳から? 禁止法案が全国で反発を招いた背景

藤平公平

夫婦共働きだったり、急用が発生した際などに親の頭を悩ませる「子どものお留守番」。ある程度子どもが大きくなっていれば自己管理ができるかも知れませんが、まだ小学校低学年だと事故が起きないか不安になる保護者も多いのではないでしょうか。保護者の不安や心配も当然ですが、「子どものお留守番」は年齢次第では「虐待」と捉えられかねない点にも注意が必要です。今回は小学校教員の遠藤隆平さんとともに、子どもをひとりで留守番させる際の注意点などを紹介していきましょう。

※本記事は2025年5月現在の情報に基づいて作成された記事です。制度等は状況により変更される可能性があります

埼玉県では「子どもだけの留守番」を禁止する法案も

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一般的には小学1年生に上がった頃から「お留守番デビュー」をさせる家庭が多いようですが、2023年10月には埼玉県議会で「子どもだけで外出・留守番させることは虐待にあたる」とした禁止条例改正案が提案されています。

改正案では、小学3年生以下の子どもを残して外出することを禁止。また、同年齢の子どもだけで公園で遊ばせたりお使いに行かせたり、高校生の兄弟に低学年の子どもを預けて外出することも違反になります。小学4~6年生の子どもに関しては「努力義務」とし、禁止行為が見られた際には通報義務を課すとしていました。

とはいえ、提出された改正案は賛成で可決されたものの大きな反発を招き、1週間後の本会議で撤回となっています。

遠藤さん「埼玉県の禁止条例改正案とはいえ、法案が明らかにされた際は全国的な議論を巻き起こしました。いまは両親が共働きという家族も多く、具体的な対策を打ち出さないまま法案が提案されたことで多くの批判を招いてしまったようです。

ただ、撤回されたからといって何も考えずに子どもだけで留守番させていいわけではありません。子どもが小学校に上がったとしても本当にひとりで大丈夫か、あるいはきょうだいだけで大丈夫か、しっかり家族で相談して決めるべきだと思います。」

親と子の双方が安心できる対策が必要