「これ買って!」と泣く子どもを落ち着かせる一言とは? 上手に「共感」するコツ
子どもを買い物に連れていくとたびたび発生するのが、おもちゃ売り場やお菓子コーナーでの「これ買って」というおねだりです。適切に対応できないと子どもが拗ねたり駄々をこねたりして、説得に時間がかかってしまうことも。外出先でのトラブルを避けつつ子どもの言動とうまく向き合うには、どのようなことに気をつけるべきなのでしょうか? 小学校教員のワタセショーさんとともに詳しく見ていきましょう。
おねだりするのは成長の証!?
そもそも子どもがおもちゃを欲しがる行為には、大きく分けて2つの理由が考えられます。そのひとつには、心の成長が挙げられるでしょう。
乳児期を過ぎた子どもには、徐々に自我が芽生えてくるとされています。それにともない、「これが欲しい」「あれが良い」といった自己主張も行えるように。つまり外出先で「あのおもちゃを買って」とねだるのも、子どもが順調に成長している証だと捉えられます。
そしてもうひとつの理由として考えられるのが、「親に甘えたい」という子どもの思いが表れている可能性。「自分の要求はどの程度まで聞いてもらえるのか」「叶えるのが難しいお願いをしても、親は自分の存在自体を否定しないでいてくれるか」と、相手からの愛情を確認したい気持ちをおねだりを通じて表現する場合があります。
このような愛情確認の過程は“試し行動”と呼ばれ、子どもが親との信頼関係を築くうえでたびたび用いる行為のひとつ。ただし子どもによっては、甘えるために「わざと」おもちゃをねだっているという自覚がない場合もあるので注意が必要です。
ワタセさん「子どもの試し行動にはいくつものパターンがあり、必ずしも親にのみおこなうわけではありません。自分の行動で大人がどのような反応を見せるのか、たとえば教師や保育士に対しても、あえてルールを破ったり困らせるような言動をします。試し行動は親でも簡単におさえられるものではないので、子どものうちは買い物の場に限らず、毎日向き合うものだと捉えておく方が良いでしょう。」
“共感”してから「なぜ買えないか」を伝える