親が学級崩壊に気づきにくいのは、子どもの多くが担任をかばうから…学校生活のために大切な「個人面談」
担任の先生と保護者が面談する個人面談。学校で行われる個人面談は、家庭と学校が協力して子どもの成長を支えるための大切な機会です。保護者として、子どもの様子や学習状況を先生から直接聞ける貴重な時間ですが、時間は15分ほどと短時間しか設けられていないことがほとんど。
面談をより有意義なものにするために、どんなことに気をつけたらいいのか、教師歴18年の元私立小学校教員で『忙しいママでもできる! 私立小学校を受験しようと思ったら読む本』の著者、なごみゆかり先生に教えてもらいました。(聞き手・文/一般社団法人Raise)
個人面談は何のために行う?
小学校や中学校における保護者との個人面談は、年間で1〜2回程度行われるのが一般的です。多くの学校では、1学期末や2学期末など、成績や生活状況の節目に合わせて実施されます。
また、進路指導が重要となる中学3年生では、三者面談を含めて複数回行われることもあります。必要に応じて個別に面談が設定されることもあり、回数は学校や学年、地域によって異なります。
まず大切なのは、面談の目的を理解することです。個人面談は、子どもの問題点を指摘される場ではなく、子どもの現状を共有し、今後どのように成長を支えていくかを話し合う時間です。そのため、保護者は「先生と一緒に子どものことを考える」という前向きな気持ちを忘れずに持つと双方にとって有意義な時間となるはずです。
面談の時間はそれほど長くはありません。聞きたいことがある場合は何を聞きたいのかを整理したメモを用意しておくとスムーズです。学校では見えない子どもの一面や、家庭での困りごと、日々の生活習慣などを共有することで、先生もより適切な指導ができるようになります。
どんなことを話していいのか分からないという人も中にはいると思うのですが、「最近元気がない」「学校の話をあまりしない」といった些細なことでも気軽に聞いてみてください。もちろん「勉強に集中できない」「家庭学習の進め方に不安がある」など、勉強のことでも大丈夫です。
話す内容は具体的な方が先生も考えやすくなります。そのため、事前に具体的な内容を準備しておくと、話がスムーズに進みます。
感情的になってしまうと建設的な話ができなくなる
面談では、子どもの学習面や人間関係、生活態度などについて先生から説明がありますが、その中には思いがけない話や、耳が痛くなるような内容が含まれることもあると思います。
しかし、そこで感情的になったり、防衛的な態度を取ったりすると、建設的な話し合いが難しくなってしまいます。まずは冷静に話を聞き、わからないことや納得できないことがあれば、穏やかに質問をすることを心がけましょう。
さらに、学校や先生への要望を伝える際は、伝え方に配慮することも大切です。もしも学校の対応に疑問や不満がある場合でも、感情的にならず、「こうしていただけると助かります」「家庭ではこう感じています」といった柔らかい表現を使うことで、よりよい関係を築くことができます。
面談は一度きりのやりとりではなく、子どもの成長を支えるためのスタート地点です。話し合った内容を家庭でも振り返り、子どもにもわかりやすく伝えることで、子ども自身の理解と成長にもつながります。
また、必要に応じてその後も連絡帳や電話などで先生と情報交換を行うことで、家庭と学校が一体となって子どもを支えることができます。
学級崩壊!? クラスの異変を感じた時の対処法
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忙しいママでもできる! 私立小学校を受験しようと思ったら読む本
年々受験者数が増加する小学校受験。
かつてはごく一部の人しか知らない世界と思われてきたが、共働き世帯の参入が進み、中学受験ほどではないが盛り上がりを見せつつある。
その理由として、コロナ禍で私立の方が公立よりも対応がスピーディであったことや、中学受験の過熱や大学入試改革などを踏まえて早期に進路を決めてしまいたいというニーズもあると思われる。
ただ、どういう子どもが小学校受験に向いているのか、家庭でどういうことができるのかというと、まだノウハウが知れ渡っているとはいえず、一部のインナーサークル内で情報が流通している印象が強いのではないだろうか。書籍の多くも塾関係者のものであり、塾への誘導のために、根幹にかかわる部分は避けて記述しているのが実情である。
しかし、何となく興味を持つ人も増えている中で、とりあえず小学校受験とはどのようなもので、受かるにはどうすればいいのか、知りたい人が増えていると思われる。
そこで本書では、私立小学校に長年勤務した著者が、「どういう子どもに入学してほしいか」「そういう子どもをどうやって育てたらよいか」ということを解説する。
小学校受験初心者がこれからどういう考え方で、どういう取り組みをしていけばよいかを伝える。家庭でできる入門書。