早口言葉で子どもの言葉の発達を促す? 親子で楽しくお口の体操

生澤右子(著),有田秀穂(監修)

「なまむぎ なまごめ なまたまご」などの早口言葉、言えますか? 大人でもリズムよく、軽快に発するのは、なかなか難しかったりしますよね。

早口言葉では口や舌の筋肉を鍛えることができ、子どもの言葉の発達を促すことができるといいます。楽しく口や舌をトレーニングする方法を、歯科医・生澤右子さんが紹介します。

※本稿は、生澤右子(著)有田秀穂(監修)『集中力が高まり、心の強い子になる! 噛む力が子どもの脳を育てる』(青春出版社)から一部抜粋・編集したものです。

楽しい「お口の体操」で口と舌のトレーニング

「なまむぎ なまごめ なまたまご」などの早口言葉にチャレンジしたことはありますか?

最後は結局くずれてしまって「アハハ」となるのですが、口のもたつきがなんとももどかしいものです。

お子さんと一緒に早口言葉をすると、言葉の発達の助けになるのでおすすめです。ただ、このとき、早いだけでなく、しっかり口を動かしてほしいのです。

口や舌は意識的に最大の動きでトレーニングをしていないと、ふだんはラクな動きになってしまいがちです。

マラソン選手が高地トレーニングをしたり、アスリートが加圧トレーニングをするかのごとく、口や舌も筋肉なので、少しの負荷をかけると、ふだんのパフォーマンスが上がるというわけです。

有名な「あいうべ体操」では、あ・い・うをはっきり言ったあとに、最後に「ベー」と舌を前に出します。この舌を出す動きも、「あっかんべー」を多用する子(?)でないと、ほとんどしない動きでしょう。

あいうべ体操で私が気に入っている点は、「あ」と「い」が入っていることです。どちらも歯磨きのときに必要な口の形なのです。

そこで、保育園ではもう少し親しみを持ってもらうために、「あいすくりーむだべー」という口の体操にアレンジしています。

絵を見ながら、みんなで大きく口を動かしながら3回くらいやってみます。こんな単純な運動でも、口のあたりに疲労感があるので、ふだんの口の運動不足を実感します。

余談ですが、おうちの方から「まだアイスクリームを食べさせていないので、わからないながらやっています(笑)」というお便りをいただきました。

確かに年齢的にそうかと思い、違う言葉を考えたのですが、しっくりくる言葉が見つかりませんでした(残念!)。

あいすくりーむだべー体操

イラスト:村山宇希


もし、おうちでお気に入りの何かで「あ」と「い」と「べ」を使って、うまくトレーニングできそうでしたら、ぜひオリジナルでやってみてください。

口と舌のトレーニングは他にもあります。保育園でやっているものとしては、「舌まわし」です。

舌先で左右の口の端をタッチしたり、鼻に届くように上に出したり、舌をぐるんと回したりというように、子どもたちも小さな舌を一生懸命動かして頑張ってくれます。

おうちでの遊びでは、ストローでぶくぶく泡遊び、わらべ歌の「あっぷっぷ」、口笛、吹きもどし、シャボン玉や紙相撲、紙で作った魚釣り(ストローで吸って釣り上げる)など(下記イラスト参照)もあります。

イラスト:村山宇希

そう考えると、昔の素朴な遊びを取り入れると、とてもいいですね。

生澤右子/有田秀穂(著)『集中力が高まり、心の強い子になる! 噛む力が子どもの脳を育てる』(青春出版社)
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