遊んで学べる「香りの世界」! 親子で楽しむ京都の穴場体験スポット【松栄堂 薫習館】

中野セコリ(nobico編集部)

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親子で香りを楽しめる体験スポットがあるのをご存じですか?

さまざまな香りをかぎ比べたり、お線香の作り方を学んだり……。
京都にある「松栄堂 薫習館(くんじゅうかん)」は、観光にはもちろん、夏休みの自由研究にもぴったりな穴場スポット。
今回は、実際に足を運んだnobico編集部員が、その魅力をご紹介します。

300年の歴史ある香老舗の「香りの小さな博物館」

「薫習館」は、創業300余年の「香老舗 松栄堂」が手がける、お香の文化を学べる展示施設。館内では、実際に様々な香りを楽しむことができます。

まずは、全長120cmのながーいお線香がお出迎え。
薫習館の営業時間に合わせ、7時間で燃え尽きるよう設計されているとのこと。ロマンと職人技を感じます。

頭ごと香りに包まれる「かおりBOX」

1F「Koh‐labo 香りのさんぽ」には、「これは何だろう?」と好奇心をくすぐられる展示の数々が!

まず目を引くのが、3つ並んだ「かおりBOX」。
天井から吊りさがる箱の中に恐る恐る頭を入れてみると、ふわっとお香のいい香りが!
360度香りに包まれる没入体験を楽しむことができます。

BOXの内側には、香りの解説が。3つの香りの違いを確かめてみてください。

こちらの展示は、ハンドルで高さを調節して楽しむこともできます。小学生以上はハンドルを下げて、未就学児は抱っこで楽しむのがおすすめです!

「香りの柱」でお香の原料の香りを体感

かおりBOXの奥にあるのが、「香りの柱」。お香に使われる素材の匂いを、実際に嗅ぐことができる仕掛けです。

白いラッパに鼻を近づけてポンプを押すと、柱に展示された原料の香りがふわっと届きます。

こちらの「乳香」は心が落ち着く香り。
乳香はニュウコウジュの幹から採取される樹脂なのだそうで、個人的には一番好きな香りでした。

ムスク系の香水の原料にもなる麝香(じゃこう)には、ちょっと怖い注意書きが。

恐る恐る嗅いでみると、強烈な獣臭!
思わず「わっ」と悲鳴が出ます。
この匂いを薄めると「いい香り」になるのが本当に不思議です。

竜脳は、リュウノウジュから採取される香料。すーっとした清涼感のあるこの香り、どこかで嗅いだことが…。おそらく「タイガーバーム(※昭和生まれなら知っている万能バーム)」に近い香りのような気がします。

見た目から匂いを想像したり、香りを言葉にして共有したり。「どの匂いが気になった?」と、会話が弾む展示です。

「香りを楽しむ」企画展示

こちらは、お香の「調合」を再現した展示。原料が重なり合い、香りが深まっていく工程を感じることができます。最初の香りと最後の香り、違いをぜひ比べてみてください。

こちらの展示では、甘い・酸っぱい・辛い・苦いといった4つの味覚を香りで表現。シリコンボトルを押してかいでみるのですが……お酢が大好きで、普段から大量に摂っている筆者には、「酸っぱい香り」だけほとんど感じることができませんでした。思いがけず、自分の嗅覚のクセを知るきっかけに。

子どもの調べ学習もばっちり

子どもの調べ学習にも役立ちそうな、「STUDY」コーナーもありました。
お線香の製造工程をミニチュアで再現したコーナーは、小さいながら工場見学のような気分を味わえます。

タブレットでは、まんが『大研究!お香のすべて』を読むことができます。思いがけず長居してしまいそう。ちなみにこちらの学習まんがは非売品ですが、WEB上でも読めるそうなので、気になった方はぜひ。

みんな大好きな「ガチャ」も!

「香りのさんぽ」を楽しんだ後は、子どもも大好きな「ガチャ」はいかがでしょうか。「匂い袋Gacha」と「お香Gacha」があり、1回500円で手軽に香りのお土産を持ち帰ることができます。

匂い袋は3種類、お香は6種類の香りが。何が出るかわからないからこそ、予想外な「香り」との出会いを楽しめそうですね。

本店でお買い物も楽しめる

「薫習館」は、「松栄堂京都本店」に併設されています。せっかくなので、本店ものぞいてみることに。お香や匂い袋が並ぶ中、こんな珍しいものを発見しました。

お香のカードゲーム「くんくんくん」は、香りというリアルな感覚で楽しめるアナログゲーム。同じ香りを嗅ぎ分けるシンプルなルールは、小さいお子さんでも楽しめそうです。

特に筆者がおすすめしたいお土産が、「えらべる匂い袋」。3種類の香りと数十種類の袋から自分好みに組み合わせることができます。オーダーしてからその場で仕上げてもらえるのもうれしいポイント。筆者も2つ作ってみました!

紐の色は、選んだ香りよって変わります。
「自分で選んだ」体験は、お子さんにとって良い思い出になりそうです。

小規模だけど、満足度は大!

展示の規模は決して大きくありませんが、滞在後の満足感はとても高い「薫習館」。入場無料なのも嬉しいポイントです。

近くには京都国際マンガミュージアムもあり、観光ルートにも組み込みやすい立地。
京都観光のついでに、あるいは子どもと一緒に学びながら遊びたいときに、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

松栄堂 薫習館

〒604-0857 京都市中京区烏丸通二条上ル東側
TEL.075-212-5590

●営業時間:10:00~17:00(不定休)
●入場料:無料
●公式ホームページ:https://www.kunjyukan.jp/